2019年04月20日

CKDという会社は本当に買収防衛策を廃止したから株価が4割も上がったのでしょうか?

本日2019年4月20日の日経14面に「出遅れる買収防衛銘柄」という記事がありました。記事に「こうした「買収防衛策ディスカウント」は、裏返せば潜在的な投資機会でもある。防衛策廃止で株価が修正される余地があるからだ。実際、19年に廃止を決めた企業のなかには株価の居所が大きく変わった例もある。3月末に6月の総会での撤廃方針を発表したCKDはその後に4割近く上昇。セントラル硝子も発表前まで頭打ちだった株価がその後持ち直した。」とあります。

CKD(コード6407)の株価を見てみましょう。CKDが買収防衛策廃止を公表したのは2019年3月29日です。

日経平均に比べても上がっていますね。では株価関連のニュースを調べてみます。

4月9日

▽レーティング情報ゴールドマン・サックス証券:CKD<6407.T>「中立」→「買い」、1100円→1500円
▽CKD<6407.T>、投資有価証券売却益6億5300万円を19年3月期の特別利益に計上すると発表。

4月10日

▽レーティング情報みずほ証券:CKD<6407.T>「買い」→「買い」、2000円→2200円

CKDの株価が4割も上昇したのは、本当に買収防衛策を廃止したことが影響していると言えるでしょうか?そうじゃないでしょう?レーティングの引き上げ、目標株価の引き上げ、投資有価証券の売却が主要因でしょ?

では、セントラル硝子です。セントラル硝子が買収防衛策を廃止したのは2019年3月25日です。

うーん、これってどうなんでしょうか・・・。「セントラル硝子も発表前まで頭打ちだった株価がその後持ち直した」って言えますか?念のため株価関連のニュースを調べてみましょう。

3月25日

▽セ硝子<4044.T>、19年3月期の連結業績を増額、営業利益は前期比49.0%増の90億円(従来予想は80億円)に
3月26日

▽セントラル硝子が続急落、営業利益予想を増額するも材料出尽くし感

セントラル硝子<4044.T>が続急落。25日引け後に、19年3月期の連結営業利益予想を増額するも、いったん材料出尽くしの動き。株価は前日比142円安の2353円まで値を下げている。19年3月期について、予想売上高は従来の2300億円(前期比1.0%増)で据え置いたが、営業利益を80億円から90億円(同49.0%増)に引き上げている。「化成品事業」において、リチウムイオン電池用電解液製品の販売が好調に推移したことがその要因。

▽セントラル硝子<4044.T> 下げ幅拡大。今3月期の業績予想を増額するも、好材料出尽くし。

4月3日

▽セントラル硝子<4044.T>2月27日の年初来高値2678円を更新し、上値追いが活発化。前日比142円高の2693円ザラバ引け。

買収防衛策廃止を公表した翌営業日に株価下落って・・・。どう考えても買収防衛策の廃止が株価に何の影響も与えていないじゃないですか・・・。

皆さん、買収防衛策の導入・廃止と株価は関係ありません。というか、関係性を証明できないのです。だって、買収防衛策廃止以外に業績予想の修正や決算発表なども一緒に発表しているでしょ?買収防衛策廃止単独による影響はわからないんです。

この記事については来週コラムで分析して報告します。

 

 

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