2020年02月20日

前田道路の対抗策に関する日経の記事

日経電子版の記事が今回の前田道路の対抗策について正確に記載していると思います。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55848250Q0A220C2000000/?n_cid=NMAIL006_20200220_Y

過去、大幅増配で対抗したケースはスティールパートナーズvsユシロとスティールパートナーズvsソトーです。ソトーは当初、MBOで対抗しようとしましたが、スティールパートナーズと価格合戦に陥り、最終的にはMBOではなくユシロと同様の大幅増配で対抗しました。いずれのケースも株価がTOB価格を上回ることでスティールパートナーズのTOBを退けました。

しかし今回の対抗策では、株価がTOB価格を上回ることはありません。TOB実施前の株価を考えれば当然です。TOB実施前の株価が2,633円なので、特別配当650円がそのままオンされたとしても3,283円です。

前田建設工業はTOBを延長するのか、TOBを撤回するのかを検討するのだと思われますが、特別配当の権利落ち後の株価はどうなるのでしょうか?当然、下がりますよね?下がったら?

当然、前田建設工業はTOB価格を修正して、再度TOBを実施するのではないでしょうか?単に現預金が欲しいだけなら、前田道路が自社株買いを提案してきたときに応じたのではないかと思うのです。前田建設工業が前田道路に目を付けたのは、もちろん保有するキャッシュの魅力もあったのでしょうが、そのキャッシュを稼ぐだけの前田道路の収益体質が魅力的だったからではないのでしょうか?一時的にキャッシュが配当として支払われたとしても、前田建設工業にも入ってくるのですし、前田道路はまたどうせたくさん稼いでくれます。

中長期的な前田道路の収益性に期待してのTOBなのではないでしょうか?だとしたら、株価がもとに戻った状態で前田道路の財務状況を勘案したうえで、TOB価格を再設定した上でTOBを実施してくるのではないかと思うのですが。

 

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