2024年04月26日

ローランドDG、MBO価格を5,035円⇒5,370円に引き上げ

ローランドDGを巡るMBOとブラザーによるTOBについて、MBO側がTOB価格を引き上げました。5,035円⇒5,370円だそうです。一言・・・

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240426578103.pdf

「MBOですよね?当初の5,035円はなんだったんですか?ローランドDGの内部を完全に把握しているマネジメントが参加する非公開化=MBOなのに、本当は5,370円出せるにもかかわらず5,035円という価格で一般株主から不当に安く買い取ろうとしていたということですか?ブラザーが登場しなかったら、一般株主は5,035円のTOBに応募してしまうところだったわけですが・・・」

いいんですか?MBOですよね?ローランドDGの内部を把握している経営者が5,370円出せるのに、5,035円で買い叩こうとしていたということでは?

当然、ブラザーが水面下で買収提案をしていた以上、MBOを公表すればブラザーが対抗TOBを仕掛けてくる可能性は容易に想像できるわけですし、MBO側が価格を引き上げることなく引き下がるというのは考えにくく、そりゃあ価格を引き上げることは想像していました。

でもMBOですよ。会社の内部を知っている経営者が参加するMBOにおいて、当初の買取価格を「ブラザーが出てきたので引き上げますわ!」ってのはおかしいでしょう?最初の価格はなんだったのさ?ブラザーが出てこなければラッキー、5,035円で買い取れるぜ!出てきたら仕方ないからその時は価格を上げようぜと思っていたということでしょう?

一般株主から経営者が不当に安く買い取ろうとしていたと批判されても仕方がない行為だと私は考えます。

で、これブラザーが価格を引き上げてくる可能性も十分にあるわけですが、そのときはどうするのでしょう?またMBO価格を引き上げるのでしょうか?一般株主から猛批判される気がします。

かつてスティールパートナーズに敵対的TOBを仕掛けられ、MBOで対抗した結果、何度も価格の引き上げ合戦になり、最終的には大規模株主還元に踏み切ったソトーを思い出します(スティールパートナーズに同時に敵対的TOBを仕掛けられたユシロは当初から大規模株主還元を公表し、TOB価格を株価が上回り、スティールパートナーズも歓迎表明を出して終了)。

MBOって、何度も価格を引き上げていいの?ブラザーが出てこなかったら、一般株主は実は安い価格でTOBに応募してしまっていたということですよ。特定の投資家と経営者が組んで不当に安く一般株主から買い取ろうとした。

以下ではローランドDGが主張するディスシナジーについて説明しているようですが、まだ読んでいません。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240426578503.pdf

 

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