2020年07月17日

大戸屋の従業員が声明を公表

以下のとおり、大戸屋が「株式会社コロワイドによる公開買付けに対する当社従業員の緊急声明について」を公表しました。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00928/212036ba/9faa/46df/864e/34d653d43d52/20200717112814676s.pdf

またロイターは「大戸屋ホールディングスの従業員有志は17日、コロワイドの株式公開買い付け(TOB)に対し反対意見を表明した。従業員有志は同日午後2時から会見を行う。」と報じています。

従業員声明の内容は、大戸屋HD取締役会に対して早期にTOBへの反対表明をしてもらいたいこと、大戸屋HDの株主に対してTOBに応募しないよう要請すること、コロワイド側の取締役候補者に対して辞退を要請すること、です。

かなり感情的、情緒的な内容です。一部の株主には訴求効果があるのかもしれませんが、株主は基本的に「高くなったら株を売る」という行動をします。いくら感情に訴えたところで、会ったこともない大戸屋の従業員にお願いされても「よっしゃ!いっちょ、大戸屋の従業員を助けちゃろ!」と思ってくれる株主は少ないのではないでしょうか?

それと、私が非常に心配しているのは「大戸屋さん!ホワイトナイトはいるんでしょうね?」ということです。もし現時点でホワイトナイトがおらず、コロワイドの敵対的TOBが成功するかもしれない状況において、従業員に対してコロワイドにたてつくようなことをさせてよいのでしょうか?

調べてみると、もう記者会見をしたみたいですね。会見した男性社員は大丈夫でしょうか?もしコロワイドの敵対的TOBが成功してしまったら・・・。
https://news.yahoo.co.jp/articles/68279a4f021e9bf4e316a99c935f0e3cc0d36a9a

ホワイトナイトが現時点でいない状態で、この反対声明や会見を従業員にさせてしまったのだとしたら、大問題です。大戸屋の経営陣こそ、従業員のことを大切にしてないと言えます。コロワイドの敵対的TOBは、ホワイトナイトが出てこないと、成功してしまう可能性があります。ホワイトナイトが出てきたとしても、価格合戦になったらコロワイドが勝つ可能性があります。

このような状況が不安定なときに、仮に従業員が「反対声明を出す!」といっても「万一負けた場合、君たちの今後の会社人生が台無しになるリスクがあるから、そんなことは現時点でさせられない」と止めるのがスジではないでしょうか?

大戸屋さん、ホワイトナイトはいるんですよね?現時点でいない、もしくは模索中、という状況で、このようなことを従業員にさせたのだとしたら、経営者としての資質を疑います。

経営者は従業員を守るべきでしょう?矢面に立たせてどうするんですか!!!

 

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