2020年08月18日

半沢直樹のスパイラルはどこで失敗したか?

やっと「半沢直樹」の第1話~第4話を見ました。いや~、おもしろいですねえ。前作よりもおもしろいです。

さて電脳雑技集団に敵対的TOBを仕掛けられたスパイラルですが、どこでどう間違って敵対的TOBを仕掛けられたのでしょうか?

スパイラルが電脳雑技集団に敵対的TOBを仕掛けられたのは、スパイラルの勉強不足のせいです。スパイラルの正確な株主構成はわかりませんが、電脳雑技集団はスパイラルをやめた創業メンバーから(おそらく)相対で株式を約30%取得したことを考えると、瀬名社長とやめた創業メンバーでスパイラル株を50%程度保有していたのでしょう。

瀬名社長ら創業メンバーが安定株主として50%以上の株式を保有していたから、スパイラルはこれまで敵対的買収のことなどを勉強したことがないと思われます。また、第4話で瀬名社長が同級生でもある東京セントラル証券の森山に「うちの財務担当役員にならないか?」と声をかけています。こういったことからも、スパイラルにはちゃんとしたCFOがいなかったのではないでしょうか?

社長や技術系の役員は本業にまい進すればよいものの、それはちゃんとしたCFOがいることが前提です。ちゃんとしたCFOがいれば、敵対的買収や株主提案といったことも勉強し「いざ当社に敵対的TOBが仕掛けられたらどうするか?」を準備します。

こういったことを準備していなかったから、創業メンバーから株が電脳雑技集団に譲渡されてしまい、あたふたすることになったのです。創業メンバーが辞めた時点でちゃんと買収防衛策を導入しておくべきだったのです。

また、スパイラルの当初のアドバイザーである太陽証券もよくなかったですね。第1話で30%の株式を電脳雑技集団に取得されたことが判明した後、瀬名社長が太陽証券の営業部長に対して「あんたも呑気にしてないで防衛策の一つでも考えろ!」「何してんだ!帰って考えろって言ってんだよ!」とおっしゃいます。

そいつはムリな話ですよ。防衛策って、すぐすぐ思いつく訳ではありません。そんなに簡単な世界ではありません。毎日毎日考えないと妙案は浮かんでこないですし、いろんな事例を研究しないとダメです。

日々、企業防衛とは何か?企業価値とは何か?を適切なアドバイザーとともに考え続けることが重要なのです。
 

 

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