2021年11月24日

関西スーパーの株価と今後

今日の関西スーパーの株価は、前営業日終値1,504円に対してストップ高の1,904円でした。オーケーの統合差止が神戸地裁で認められたからでしょうね。

しかしこれ、本当に大丈夫なのかなと思います。1つは神戸地裁の判断であること。例えば日邦産業がフリージア・マクロスに買収防衛策ルールを破って敵対的TOBを仕掛けられたとき、名古屋地裁は当初、フリージア・マクロスの差止請求を認めました。その内容を見ると、差止理由はたったの数行しか記載されていませんでした。日邦産業が保全異議の申立てをしたところ、名古屋地裁で判断が覆りました。

神戸地裁って商事部みたいなところはありませんよね?当初日経の報道では以下のように書かれていました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC08AQG0Y1A101C2000000/

裁判所がオーケーの主張を認め、統合が白紙になるかについては、「ハードルが高い」との見方が多い。

検査役の役割は「あくまで総会の手続きを正確に調査し報告すること」(早川明伸弁護士)だが、「実務上は、検査役が手続きの正当性を判断するレフェリーとして運用されている面もある」(植松貴史弁護士)という。

植松氏は「検査役が確認しており、承認決議に瑕疵はないとみられる可能性が高い」としつつも、白票を投じると棄権票になるという「会場内のアナウンスが明確だったため、オーケー側の主張が認められる余地もある」とみる。

当初の報道ではオーケーの主張に否定的だったんですよね。たぶん、以下のアドバネクス事件があるのかなと思われます。この事例が今回のケースを予想するのにピッタリな事例なのかはわかりません。

http://www.irokawa.gr.jp/column/1413/

そして2つ目ですが、オーケーって本当にTOBを仕掛けるんですかね?おそらく関西スーパーはオーケーのTOB提案に賛同しないでしょうし、それでもオーケーが仕掛けるなら敵対的になります。それでもオーケーはやるんでしょうか?また、敵対的TOBになったとすると、関西スーパーのガッチガチの安定株主を考えると、TOB成立要件に例えば50%といった下限を付けると成功しませんね。下限を付けなかったとしても、どれくらいの応募があるのか不透明ですね。

ただオーケーは今回、かなりいい勝負をしましたので、練りに練った作戦を考えている可能性もあるのではないかと思います。下限を付けずにしぶとく長期戦を覚悟したら・・・何とかなるかもしれませんね。

 

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