2023年04月03日

主役は村上世彰さんからセス・フィッシャーに?

今日の日経夕刊の記事です。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69833080T00C23A4ENI000/

3月31日の東京株式市場で東京都競馬株が急騰し、一時前日比535円(15%)高の4070円と約5カ月ぶりの高値をつけた。30日の大量保有報告書で、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが8%超の株式を保有していることが明らかになった。オアシスはアクティビスト(物言う株主)として知られ、思惑買いが集まった。

オアシスが大量保有報告書を提出した東京都競馬ですが、3月30日の終値3,535円に対して31日の終値は4,045円でした。約14%の上昇ですね。

一方、以下をご覧ください。旧村上ファンドが大量保有報告書を提出したアルプスアルパインです。

https://ib-consulting.jp/newspaper/4687/

旧村上ファンドが大量保有報告書を提出した1月31日の終値が1,323円に対して、翌2月1日の終値は1,390円でした。約5%の上昇です。東京都競馬のほうが上がってますね。もちろん両社の時価総額が異なりますから(アルアル2,778億円、競馬1,160億円)、単純に比較はできないものの、オアシスの日本の株式市場における存在感が高まっているような感じがします。

というのも旧村上ファンドって、結局アルプスアルパインもそうでしたが、大量保有報告書を提出して株価が上がったら即売却するケースがけっこうあるんです。コーナン商事とか住友大阪セメントとか、ほかにも。そして株式市場も見透かしてきたように思います。「村上さんはどうせ大量に買って自己株TOBをさせるか、即座に売り抜けるかのどちらかでしょ?」と。

そういう意味では株式市場はオアシスに期待し始めたということかもしれません。オアシスは投資先に対してさまざまなアクションを起こします。株価が上がったから即売却というより、腰を据えてアクションを起こすことが多いですね。オアシスに対する出資者の評価や全体としてどれくらいのリターンを上げているのかはわかりません。

ただ、今回のフジテックのインパクトは大きいのではないでしょうか?臨時株主総会ではオアシス側の候補者で過半数を取れなかったものの、前からいた遠藤氏が辞任したり、三品氏がオアシス側の社外取締役と意見が一致したりしたことで過半数を取ることに成功しました。大量の株式を背景に取締役を送り込むのではなく、対象会社の徹底的なリサーチ、効果的なネガティブキャンペーンを駆使することで取締役を送り込むことに成功したというのはかなりインパクトとしては大きいです。

日本で展開するアクティビストの主役は村上世彰さんからセス・フィッシャーになったのではないかと思いますね。もしかしたらフジテックに対する攻撃が成功したことにより、お金も集まるかもしれませんね。今、日本の株式市場はある意味熱いです。アクティビストの狩場になっていますから。そういう狩場で成功した(まだ完全に成功して訳ではないですね)オアシスにはたくさんお金が集まるかもしれません。

 

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