2019年02月06日

アクティビストはハゲタカなのか

という記事が日経電子版に掲載されています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40909590V00C19A2X12000/?n_cid=NMAIL006

ハゲタカですかね。その昔、イナゴと呼んだ人がいましたけど。https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784062146302

オリンパスがアクティビストを取締役に迎え入れたことは、はっきり言って私は間違いだと思っています。会社の内部をすべてさらけ出すことができるのでしょうか?さらけ出したときのリスクを十分にかつ抜け漏れなく検討したうえでのことでしょうか?本当に本当に抜け漏れなく検証したでしょうか?

かつてスティール・パートナーズは東京高裁に「ひたすら自らの利益を追求する存在」「濫用的買収者」と認定しました。最高裁はその点に関しては言及しなかったと記憶しています。記事には以下の通り書いてあります。

判決で目を引いたのは本来中立であるはずの裁判所が「投資ファンドという組織の性格上」という表現でスティールだけでなく、アクティビズム全般に否定的な評価を与えたことだ。判決は「企業価値についてもっぱら株主利益のみを考慮すれば足りるという考え方は限界があり採用できない」とも述べている。

これを素直に読めば、投資の売買差益だけを狙うファンドは会社を支配するに足る株式の所有者となるにはふさわしくないことになる。当時の日本の既成勢力が抱くアクティビストへの警戒や疑念を司法が代弁した形だったが、本当にアクティビストは自己利益だけを追求するエゴイスティックな存在なのだろうか。

これ、当時は私も高裁の判断に対して「そこまで言いますかね」と思いました。でも今は「そりゃそうですよね」と思います。だって、アクティビストって会社全体の利益、中長期的な利益のことなんて考えてないですもん。考えていないから経営者とぶつかるんでしょ?株価のことしか考えていないから、短期的な株価上昇につながることしか提案しないでしょ?ファイナンス理論だけで会社経営なんてしないですよ。ファイナンス理論だけで経営すればいいのなら、上場企業の社長は全員ファンド出身者がやればいいです。

でもそうじゃありません。会社とは法人です。法人はいろいろなステークホルダーのある意味集合体であり、法人には心があるからです。そもそも心がある法人を支配することなど誰にもできません。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ