2020年03月02日

前田建設工業はTOBを仕掛けなおせばいいだけ

前田建設工業から敵対的TOBを仕掛けられた前田道路が対抗策を打ち出しています。特別配当の実施をすることで、前田建設工業の敵対的TOBを撤回させたいという意図なのでしょう。

何度か当社のHPで言及していますが、この対抗策は買収者が投資ファンドといったフィナンシャル・バイヤーなら通用しますけど、前田建設工業のようなストラテジック・バイヤーには通用しません。フィナンシャル・バイヤーは特別配当の実施などで株価が上がれば、TOBに応募が集まらずTOBは失敗しますが、保有する株式を上がった株価で売却すればいいので(もしくは配当をもらえばいい)、フィナンシャル・バイヤーにとっては対抗策ではなくむしろ大歓迎です。そもそも大幅増配をさせることが狙いですから。

一方のストラテジック・バイヤーの場合、大幅増配をされたとしても、TOBを撤回すればいいだけです。そして、配当の権利落ち後、株価が下がったところで、TOB価格を再設定してTOBを仕掛けなおせばいいだけですから。前田道路は前田建設工業がTOBをした目的を、本当に前田道路の保有する現預金だけが狙いだと考えているのでしょうか?前田建設工業が前田道路を欲しい理由は、前田道路の現預金ではなく、前田道路の現預金を稼ぐ力ではないのでしょうか?

私は仮に今回の特別配当が臨時総会で可決されたとしても、前田建設工業が前田道路に対して再度TOBを仕掛けてくると考えます。しかし1つだけリスクがあります。そのリスクとは???

詳しくは明日以降のコラムで。

 

 

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