2020年04月14日

コロワイドはどの選択肢で大戸屋を連結子会社化するのか?

以下、前提です。第三者割当増資価格やTOB価格はあくまで仮定です。

大戸屋の発行済株式総数(自己株除く):7,245,600株

コロワイドの保有株数:1,351,800株

株価:2,058円

第三者割当増資価格:(仮)1,853円(2,058円×0.9)と仮定 ※日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」http://www.jsda.or.jp/about/kisoku/files/c0301.pdf

公開買付価格:(仮)コロワイドの大戸屋株取得価格2,219円に30%のプレミアムをのせた2,885円と仮定 ※さすがに今のコロナショックの影響を受けた株価にプレミアムをのせても誰も応募しないだろうと考え、コロワイドが取得した株価を目安にプレミアムをのせた価格にしました。

第三者割当増資で連結子会社化するとした場合、必要な株数は4,782,563株です(コロワイド保有株1,351,800株+4,782,563株)÷(発行済7,245,600株+4,782,563株)=51%。4,782,563株×1,853円=約89億円です。

TOBで過半数を取る場合、7,245,600株×0.51-コロワイド保有株1,351,800株=2,343,456株。2,343,456株×2,219円=52億円です。

では、TOBでコロワイドの保有割合を40%に引き上げ、第三者割当増資で51%にする場合はどうでしょうか?

(7,245,600株×0.4-コロワイド保有株1,351,800株)×2,219円=34億円。40%の株式をTOBで握った後、第三者割当増資で連結子会社化するのに必要な株数は1,626,563株です。(コロワイド保有株7,245,600株×0.4=2,898,240株+1,626,563株)÷(発行済7,245,600株+1,626,563株)=51%。1,626,563×1,853円=30億円。

トータルで必要な資金は64億円です。

何が言いたいかと言うと、現時点でまだ具体的な連結子会社化の方策が提示されていない状態で、本当にコロワイドの株主提案を大戸屋の株主が支持してよいのかどうか、ということです。何も決まっておらず、コロワイドは大戸屋の株式の19%程度しか保有していないにもかかわらず、社外取締役が候補にはいるものの、実質コロワイドの支配下に置かれるような状況になってしまえば、コロワイドにとって有利な方法で大戸屋を連結子会社化する可能性があるのではないでしょうか?当然、連結子会社化するときには独立委員会などを設置するのでしょうが、果たして大戸屋の一般株主の利益を最重視した判断をしてくれるでしょうか?

大戸屋の株主はコロワイドの登場を、少なくとも現時点で喜ぶべきなのかどうか・・・。どういう手法で連結子会社化するのかよく確認する必要があるのではないでしょうか?そういう状況ですから、本当にコロワイドの株主提案に大戸屋の株主が乗っかってしまってよいのかは疑問です。

連結子会社化することが目的であれば、先に手法を示すなり、TOBをして子会社化してから役員を送り込むなりすべきではないでしょうか?少なくとも株主はそういう声を上げてもよいのでは?ここでコロワイドの株主提案が可決されてしまったら、ホワイトナイトが登場する可能性もなくなりますしね。

 

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