2020年05月11日

現時点で大戸屋の株主がコロワイドの提案を支持しないほうがよい理由

コロワイドによる大戸屋への株主提案を支持する株主もいらっしゃるのかもしれませんが、冷静に考えたら現時点でコロワイドを支持するのは得策ではありません。

なぜならコロワイドが本当にTOBを実施するのかどうかわからないからです。こういう記事もありますが、しょせんまだ記事です。

https://biz-journal.jp/2020/05/post_155762.html

株主総会で、この議案を通して経営陣を刷新できれば、TOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の組み合わせで持ち株比率を51%にまで高め、連結子会社とする。プロキシーファイト(委任状争奪戦)となり、大戸屋の勝利に終わった場合でも諦めない。再び臨時株主総会を請求し、経営陣刷新を求め、敵対的TOBを始めるとしている。

コロワイドは正式に会社として「TOBを実施する」と公表していません。敵対的TOBを実施する可能性があるとしても、まだ詳細な条件がわかりません。TOBを実施するのかどうかもわからず、また、実施するとしてもいくらで実施するのかもわからない状態で、大戸屋の取締役会をコロワイドに握らせてしまうのは大戸屋の株主にとってのちのち不利なことになりかねません。

コロワイドが大戸屋の取締役会を支配した後に、大戸屋の株主のことを考えたTOB条件を提示するでしょうか?しないでしょ?コロワイドにとって都合のよい条件を提示する可能性が高いのではないでしょうか?

現時点では大戸屋の現経営陣を支持するのが得策でしょうし、今後実施されるかもしれないコロワイドのTOBに対してどういう策で対抗するのか?もしかしたらホワイトナイトが出てくるかもしれません。コロワイドに今大戸屋の取締役会を支配させてしまうと、ホワイトナイトの芽は確実になくなるでしょうね。

大戸屋は「創業者の意思!」とか「コロワイドに支配されたら手作りじゃなくなる!」といった情緒的な反論をしていたら負けます。少なくとも今コロワイドを支持するのは株主にとってよくないことを合理的に説明する必要があります。

 

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