2020年08月20日

えーっと、これも大戸屋の作戦の一つなんでしょうか?

大戸屋のホームページに大戸屋 窪田社長と元気寿司 法師人(ほしと)社長の特別対談が掲載されています。

https://www.ootoya.jp/special-interview/

タイトルは「「作り立て」「出来立て」へのこだわりが、両社の共通点。お客様に寄り添ったお店を目指すことで未来を拓く」となっています。一部抜粋します。

法師人:逆に言うと、店内調理ではないものって世の中にたくさんあふれていますからね。

窪田:そうなんです。

法師人:うちにしかないものを!という発想で考えれば当然、店内調理に行きつきます。

窪田:我々がやることは地域のお客様に寄り添い、作り立て、出来立ての美味しさをお客様にご提供していくことだと思います。「本当に街に寄り添ったごはん屋さん」を目指しています。

まさかとは思いますが、これもコロワイドの敵対的TOBへの対抗策とお考えなのでしょうか?そもそもコロワイドは店内調理をやめるとは言っていませんよね?

この特別対談は、敵対的TOB対応のクソ忙しい中で実施したのでしょうか?コロワイドの敵対的TOBへの対抗策として?

私には大戸屋の行動が理解できません。株主の感情に訴える策を私は否定しません。効果的に作用することもありますから。ただし、株主の感情に訴える策だけではダメなのです。株主が株を買っている理由は「儲けたいから」です。大戸屋のファンだから、優待が欲しいから、というのは付随的な理由にすぎません。

そこをきちんと理解していないから、このような情緒的な作戦になってしまうのではないでしょうか?株式市場とは何なのか?TOBとはいったい誰に提案されているものなのか?TOB価格とは何なのか?をきちんと理解して対応してきたのでしょうか?

大戸屋の株主はコロワイドから「あなたが持っている株式を3,081円で売ってくれませんか?(正確には、一部の株式ですが)」と言われています。当然株主は、3,081円が高いか安いかを考えます。それに対して大戸屋は「3,081円は安いのです。なぜなら~」をわかりやすく、丁寧に説明し、株主に「確かに安いな」と納得してもらう必要があります。

大戸屋は「だから中計を公表したんだ!それを見て株主に判断してもらいたいのだ!」「コロワイドの主張する策を実施したら、将来的に株価が安くなり、トータルで見たら株主が損をすると我々は言っている!」と言うかもしれませんが、違うんですよ。

目の前に3,081円という現金を用意された以上、大戸屋はインパクトのある対抗策、つまり3,081円超の価値を「具体的」に提示しないと、株主は3,081円のほうに流れて行ってしまうのです。​​

このケースにおいては、ホワイトナイトの登場は不可欠だったと思います。歴史がそれを証明しています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

敵対的TOB対応をするに当たって、ケーススタディ=歴史を学ぶことが最も重要です。大戸屋の経営陣は、ドン・キホーテvsオリジン東秀のケースを勉強しておく必要がありました。
 

 

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