2020年06月25日

日経ビジネスさんがやっと記事にしてくれました

私がHPでずーーーーっと言い続けてきたことを、やっと日経ビジネスさんも記事にしてくれました。

大戸屋が勝った本当の理由、コロワイドの株主提案否決

「(株主提案が否決されても)TOB(株式公開買い付け)などで徹底的にやる」。コロワイドの野尻公平社長はこれまで日経ビジネスの取材に対してこう明言するなど、大戸屋HDの買収に強い意志を見せてきた。この言葉を額面通りに受け取れば、株主総会で負けてもコロワイドは大戸屋HDの買収を諦めないことになる。

 となると、今後、コロワイドが大戸屋HDに対して敵対的TOBを仕掛ける可能性がある。TOBになると、株主に応じてもらうために足元の株価に3~5割程度のプレミアムを付けた買い付け価格を設定するのが一般的だ。つまり今回の株主総会で大戸屋HDを勝たせても、プレミアム付き価格で大戸屋HD株を売却するチャンスが残る、と考えてもおかしくない。

 逆にコロワイドを勝たせていたらどうなるか。コロワイドは株主提案が通って取締役会を刷新できた場合、TOBと第三者割当増資を組み合わせて持ち株比率を50%以上に高め、連結子会社化すると明らかにしていた。株主優待ではひとまず少しだけ大戸屋HDよりも得するが、第三者割当増資が実施され株が増えると1株利益の希薄化(ダイリューション)をもたらすため、既存株主としては不本意だろう。

そういうことです。私がHPにおいて、現時点でコロワイドの株主提案に対して賛成することは、大戸屋の株主にとって何のメリットもない、と言い続けてきました。コロワイドは株主提案で負けてもTOBをやるとマスコミを通じて明言しているのですから、大戸屋の株主は現時点でコロワイドの株主提案に賛成して、大戸屋の取締役会を支配させてしまうと、後に行われるTOBがどういう条件になるのかわかったものではありません。

第三者割当増資がどれくらい組み合わせられるのかも不透明です。そもそも大戸屋の取締役会をコロワイドに現時点で支配させたら、ホワイトナイトが登場する可能性も限りなく低くなるでしょう。だってコロワイドが支配している大戸屋の取締役会が「TOBには反対!」と言いますし、そう言われるともうホワイトナイトではなく敵対的買収者になってしまいますから。

コロワイドのTOBはどういう条件なのか?TOB価格は?何株買うのか?第三者割当増資はどの程度か?これがはっきりしない限り、大戸屋の株主はコロワイドを支持するべきではないのです。

今回、コロワイドは株主提案で負けました。でも、たぶんコロワイドは「あ?ばれちゃった?コストかけずに支配しようとしたんだけど、そううまくはいかなかったかあ」と考えるだけでしょう。そして敵対的TOBについても真剣に考えているのではないでしょうか?やるかどうかはわかりませんが。

今回、大戸屋が勝てたのは、ある意味当たり前です。株主が合理的に行動すれば、当然大戸屋が勝ちます。しかし敵対的TOBとなると、話は別です。どういう条件なのか?これに尽きるでしょう。もちろん、大戸屋のファン株主は条件だけでは動かないかもしれませんが、普通の株主は個人と言えども合理的に行動します。価格が争点になります。

さて、今後のシナリオはどうなるでしょうかねえ。大戸屋の臨時報告書が出たら分析します。
 

​​

 

 

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ