2020年07月14日

大戸屋は勝てるか?

深く票読みをしたり、敵対的TOBが成功することの難しさを知っていたりすれば、コロワイドは簡単には勝てないと考えます。ただ大戸屋が何もせず、これまでどおりの「セントラルキッチン反対~!」「店内調理~!」「創業者の精神~!」ばっかり主張する反対意見表明しか出さなければ、コロワイドの敵対的TOBは成功するでしょう。

No.866 コロワイドによる大戸屋への敵対的TOBは成功するか?票読みをしてみましょう

明日、大戸屋が取り得る対抗策をコラムでご紹介しますが、大戸屋は創業家とのゴタゴタからここ数年、企業防衛について検討してきたでしょうか?ちゃんとしてこなかったんじゃないかなあと思うのです。

ちゃんと議論をしていたら、コロワイドに株を買われる訳がないんですよ。ちゃんと研究していたり、アドバイザーから情報提供してもらっていたりすれば、自社にそっくりなケースを見つけられたはずなんですよ。ドン・キホーテvsオリジン東秀ですね。

私だったら「貴社の置かれている状況はドン・キホーテに買われる前のオリジン東秀にそっくりです。創業家の株が同業に譲渡される可能性がありますから、早めに手を打ったほうがよいです」とアドバイスします。そして、私だったら以下のアドバイスをしましたね。

No.852 大戸屋はこうしておけばコロワイドに株主提案をされることもなかったのです

コロワイドに株を持たれ、株主提案をされたことを見ても、「ああ、やっぱり平時の企業防衛体制がなってないなあ」と感じました。コロワイドに株を持たれてからの行動も、切迫感がないんですよね。いつ敵対的TOBを仕掛けられるかわからない緊迫感のある状況なのに、大戸屋は対抗策を打ちませんでした。経営者が腹を括れなかったからでしょう。

今回の株主総会における株主提案は、株主提案単体として対応をしてはいけませんでした。株主提案が失敗したら、当然コロワイドは敵対的TOBを仕掛けてくるという前提で、株主提案の対応をしなくてはならなかったのです。以下の策をコラムで紹介したのは、私は、コロワイドが株主提案で負けたら確実に敵対的TOBを仕掛けてくると考えていたからです。4月22日に書いています。

No.815 大戸屋が株主提案に勝ったら次はこう戦えばよし!

大戸屋は勝てるか?残り少ない時間で経営者が腹を括れるかにかかっています。腹を括って明日と明後日ご紹介する策を実行すれば勝てますね。

いざ有事にならないようにいかに平時から企業防衛について議論しておくか、いざ有事になってしまったときに腹をくくって対応できるか?すべては平時の議論、勉強、練習にかかっています。

 

 

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