2020年07月28日

「大戸屋は惨敗デサントの二の舞いになるのか」という記事

日経ビジネスに以下の記事がありました。

大戸屋は惨敗デサントの二の舞いになるのか

外食大手のコロワイドと定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)の戦いが激しさを増している。19%の株を持つ筆頭株主のコロワイドが、大戸屋HDの50%超の株式取得を目指して開始したTOB(株式公開買い付け)。これに対して20日、大戸屋HDが反対を表明し、敵対的TOBとなることが確定した。この一件を取材していて思い起こした案件がある。伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBだ。TOBは最終的に成立し、デサントの石本雅敏社長(当時)は退陣に追い込まれた。大戸屋HDはデサントの二の舞いになるのだろうか。

私がずーっと言い続けているのは、コロワイドvs大戸屋のケースはドン・キホーテvsオリジン東秀とそっくりだ、ということです。日経ビジネスが指摘しているとおり、事前にある程度の株式を取得している点やTOB価格のプレミアムなどは似通っているところがあるとは思いますが、本ケースはドン・キホーテvsオリジン東秀とまったく同じです。

大戸屋がこのような苦境に陥ってしまったのは、ドン・キホーテvsオリジン東秀を知らなかったからでしょう。知っていれば、創業家と大戸屋がもめた時点で「あ、いつか創業家は保有株を同業に売るにちがいない」と考え、なんらかの対策を打ったでしょう。

なお、本ケースが伊藤忠vsデサントに似ているというと、ちょっと伊藤忠さんに失礼だと思います。伊藤忠さんはずいぶん前からデサントに出資していますし、困ったデサントを助けるための友好的な出資でしょ?コロワイドは当初から敵対的に株式を取得しています。似ているというのは伊藤忠さんに対して失礼です。

本ケースが伊藤忠vsデサントに似ている点がもう1つありますね。それはアドバイザーです。デサントのリーガルアドバイザーは森濱田松本ですね。そして大戸屋のリーガルアドバイザーも森濱田松本です。

ちなみに、オリジン東秀のリーガルアドバイザーも森濱田松本です。オリジン東秀のことを知っているのなら、ホワイトナイトがいないと大戸屋が助からないこともよーく知っていると思うのですが・・・。

敵対的TOBはここ10年くらいは発生しませんでしたし、数が限られていることから経験したことのある人も少ないです。過去のケースを忘れてしまっている人も多いでしょう。ただ、ケーススタディは重要です。

 

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