2020年11月13日
島忠がニトリの買収提案を受諾したことに対して世論は
評価するでしょう。「株主利益を重視した島忠経営陣の英断」といった感じで。でも私はそう思いません。私は英断ではなく、単に「知恵と工夫がなかったから」と評価します。
島忠はニトリの動きを事前に察知していたと報じられています。島忠に対してDCMがTOBをかけたら、ニトリがカウンターTOBを実施する可能性を把握していたのです。だとしたら島忠は以下のような策も取れたはずです。
どうしてこういう方法を選択しなかったのでしょうか?こんな方法もありました。
経営統合、M&Aはなにも株主利益だけを考えればよいというものではありません。島忠が本当にDCMとの経営統合が望ましいと考えているのなら、知恵を工夫を凝らせばよいのです。でも安易に「TOB価格が高いから」という理由でニトリの提案を受諾しました。
会社は誰のものか?会社はそもそもものではないですし、ましてや株主だけのものではありません。いろんなステークホルダーの利益貢献によって会社は成立しています。その理解なくして会社経営を行うべきではありません。もちろんTOBですから、価格がもっとも重要になります。しかし価格だけを見ればよいというものではありません。