2019年08月06日

持ち合い株の定量的保有効果などあるんですか?

今日の日経17面「持ち合い解消の本気度」についてです。

記事には、政策保有株の保有目的について金融庁関係者が「期待外れといわざるをえない。」と言っているとあります。個別銘柄の定量的な保有効果を数字で説明した例は皆無だそうです。

ま、そりゃそうですよね。そもそも日本企業が行っている持ち合いは定量的な効果を期待しているものではありませんから。定量的な効果を期待せずに保有しているものに関して、定量的な保有効果を書け!と言われても書けません。書いたら虚偽記載ですよ。

川崎汽船は経済合理性の基準を年間トータルリターン(配当+値上がり益)10%以上とし、下回った場合は売却すると明記したそうです。そして、基準を満たさなかったトヨタ自動車、マツダ、飯野海運の3銘柄を売却したそうです。大丈夫ですか?エフィッシモに38.99%もの株式を取得され、社外取締役としても受け入れてしまったから、そう書かざるを得なかったのかもしれませんが・・・。取引、減らされませんか?「大丈夫!取引を減らすぞって脅しちゃダメって東証も言ってるよね!」 いや、それは、取引を減らすことを示唆して株式売却のジャマをしちゃダメと言っているだけであり、売却された後に取引を減らしても問題ありません。当然、減らすでしょ?

そもそも、この10%という基準の根拠は何なんですかね?単に基準を書けばいいだけなんですか?ようわからん・・・。トヨタとマツダと飯野海運の株はさほど大量に持っているわけではないから売れたけど、100億円近く持っているJFEの株が数値基準に該当したら売るんですかね?全部?本当に取引大丈夫ですか?JFEって買収防衛策を導入している企業ですから、人一倍、安定株主比率に対する意識は高いですよ?

詳しくはコラムで書きます。

さて、皆さん、持ち合いって何のためにやっているんでしたっけ?総会屋とか仕手筋とか、会社全体の利益を考えず、自分の利益しか考えていない人たちに会社を食い物にされないよう、企業同士が協力して守りましょうという趣旨でやっているのが持ち合いですよね?その持ち合いに定量的な効果なんて期待していないでしょ?

そろそろ本当の理由を書かないともたないと思います。

 

 

 

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