2019年11月21日

「株主第一主義」見直しに理解

11月19日の日経11面に世界経済フォーラム総裁、株主第一主義の見直しに理解という記事がありました。記事には、

・ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)のボルゲ・ブレンデ総裁は都内で日本経済新聞に対し、従来の「株主第一主義」の見直しに理解を示した。「21世紀の企業は従業員や社会にも責任を負う」と指摘した。

・米主要企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルが株主第一主義を見直す宣言を8月にまとめたことは「歓迎する」と明言した。「企業は責任をより広くとらえなければ、株主に還元できない」と話した。

・日本型経営は「従業員と経営者の所得の差が小さく、従業員への義務が長期にわたる」ため「非常に競争力がある」と指摘した。

日本の上場会社にとってはよい風潮になってきたように見えるものの、実際にはそうでもないと思われます。最近、オアシスが島忠を、アセットバリューインベスターズがパソナを取得しました。マラソンアセットもオンワードの大量保有報告書を提出しました。世界中のアクティビスト・ファンドが日本企業に注目し、投資を開始してきたように見えます。

日本企業はまだ本当のアクティビズムを経験していないように思われます。ここから本当の戦いが始まるのであって、気を抜いていてはアクティビスト・ファンドの餌食になります。

また、株主第一主義からの脱却といった世論になったところで、アクティビスト・ファンドの攻勢が緩むはずがありません。そもそも脱却しようと言っているのは経営者であって、それをアクティビスト・ファンドが許してくれるはずがないですから。自分たちの主張が聞き入れられるよう、取得する株数を増やしたり、ウルフパックをしてきたりするだけです。

世論まかせの企業防衛ではなく、主体的な企業防衛が必要です。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ