2019年12月15日

ニューフレアテクノロジーを巡る村上ファンドの動きについて

東芝がニューフレアテクノロジーに対して11,900円でTOBをかけていたところに、HOYAが12,900円でカウンターTOBを仕掛けてきました。といってもまだHOYAはTOBを実施した訳ではなく、東芝のTOBが成立していないことなどを条件に2020年4月頃にTOBをかけると言っています。

すでに東芝は東芝デバイス&ストレージを通じて、ニューフレアテクノロジー株式の52.40%を所有しています。ニューフレアテクノロジーへのTOBについては下限を設定しており、1,633,700株(所有割合14.27%)の応募がないと不成立です。しかし東芝機械が15.80%所有していますので、東芝機械の応募があればTOBは成立します。

でも東芝機械は東芝と名前が付いているものの、もう東芝グループではなく2020年4月には芝浦機械に社名変更します。東芝機械は東芝のためにTOBに応募する義理などありません。純粋に価格を見極める必要があるでしょう。

しかしHOYAのTOBにも下限が設定されており、それは7,634,000株(所有割合66.67%)です。すくなくとも東芝の応募がないとTOBは成立しません。

ですからHOYAのTOBが成立するかどうかは、東芝機械の行動ではなく東芝がどうするかにかかっています。東芝機械はたとえ村上ファンドに「ちゃんと価格で決めろ!」と言われても、「いや、東芝さんがHOYAのTOBには応じないと言っている以上、HOYAのTOBは成立しません。ですから東芝のTOBに応じざるを得ないのです」と言えます。

さて村上さんはどうするでしょうか?たぶんですけど、もう東芝の株を買っていると思います。東芝のアクティビストとともに東芝経営陣にプレッシャーをかけていくことでしょう。

 

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