2020年01月21日

象印に株主提案したら可決できるかな?

今日の日経13面に中国家電大手、象印株買い増し 来月総会で取締役提案という記事がありました。中国レンジ大手のギャランツやグレート・フォーチュン、エースフロンティアが合計13.5%の象印株を保有しています。日銀出身の方を象印の取締役候補として株主提案をするそうです。今日の象印株ですが、9:12時点で前日比28円高の2,228円となっています。株式市場はギャランツらの株主提案に期待している、もしくは可決できると思っているのでしょうか?象印の株主構成を見てみましょう。

 

 

外部から見た安定株主比率ですが、法人株主21%、市川氏一族15.92%、象印共栄持株会3.60%、三菱UFJ信託銀行2.29%(これは信託業務にかかる持分ではないので安定株主としてカウント)の合計42.81%です。たぶんですけど、上位大株主に登場しない市川氏一族や銀行・生損保などがいると思うので、実際の安定株主比率はもう少し高いと思われます。加えて、個人株主比率もけっこう高いです。

さて、ギャランツが株主提案をして、可決できる株主構成でしょうか?かなり難しいと思いますよ。私の経験上はほぼ可決できないと考えます。安定株主比率の高さに加えて、白票で投票する個人株主比率が高いですからね。また、ギャランツがTOBを仕掛けても、下限なしで仕掛ければギャランツの持ち株比率が増えることは間違いないですが、経営権はまず取れないでしょうね。

ギャランツを始めとした海外の会社や外国人投資家はまだ日本の株主構成の特徴を捉えきれていないようですね。また、本日の象印株が上がっていることを考えても、投資家も会社の株主構成の見方がわかっていないのだろうなあと思います。あ、株価、下がってきましたね(9:21時点)。

 

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