2020年01月24日

前田道路の反論内容~これはホワイトナイトの香りがします~

前田道路が前田建設工業のTOBに対して反対の意見表明をしました。これでマスコミ各社も敵対的TOBと報道するようになります。では前田道路の反論内容を見てみましょう。16:45にTDNETに登録されています。

※投資判断の材料になることも書いてはいますが、投資判断の材料にしないでくださいね。責任持てませんので。自己責任でお願いします。

前田総合インフラ株式会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ

まず冒頭で、

2020年1月24日開催の取締役会において、本公開買付けに対して反対の意見を表明することを決議いたしましたので、お知らせいたします。 当社といたしましては、当社が前田建設の連結子会社となることは、あらゆる面において当社の 企業価値を毀損し、また、当社の持続的成長を妨げるものであると判断しており、今後可及的速やかに必要な措置を講じてまいります。当社株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されませんよう、お願い申し上げます。

と言っています。基本的に他の部分は、前田建設工業の子会社になってもシナジーはないといった主張が軸になっています。私は今回の前田道路の反論のポイントは「今後可及的速やかに必要な措置を講じてまいります」にあると思います。

前田建設工業によるTOBには成立条件として下限が設定されていません。しかもTOB価格は3,950円とわりと高めです。ですから応募する株主は必ずいるでしょうね。前田建設工業は前田道路株の24.68%をすでに所有していますから、影響力が高まることは確実です。何かしら抜本的な対抗策を講じないと負けます。

今回、前田道路は反論の中で公開買付価格3,950円が高いのか安いのか言及していません。おそらく何か作戦があってのことだと思われます。これからホワイトナイトが出てくる可能性も否定できません。パックマンはどうですかねえ。これも否定できませんね。前田道路が前田建設工業株にプレミアムを付けてTOBをかけ返すというダイナミックな戦略にも期待はしたいところですが。あ、TOBじゃなくてもできますけどね。

では、反対意見の主な内容を抜粋します。けっこう過激なこともおっしゃってますね。こういうのを見るとやはり「前田道路は何かおもろい対抗策を考えてるな?」と思ってしまいますね。過激な内容で反論するということは、前田建設工業の子会社になるつもりはなく、抜本的な対抗策を考えているから、と読むこともできます。

・前田建設及び公開買付者は当社の事業実態を理解できておらず、前田建設及び公開買付者が当社の経営支配権を取得したとしても、当社と前田建設グループとの間には事業シナジーは生じません。

・その収益力の比較において当社が前田建設を圧倒的に上回っていることや、当社は安定配当の継続等により株主還元に積極的に取り組んできたことなどから、当社と前田建設の経営 に対する資本市場からの評価の差は、両社の過去の株価に歴然と現れていると言えます。このような事実を踏まえると、前田建設及び公開買付者が当社の経営支配権を取得することは、当社が、資本市場からの評価がより乏しい企業によって経営されることを意味します。

・未だ時流に遅れた体制を維持する前田建設の主導によって当社のコーポレート・ガバナ ンス体制が強化されるなどという公開買付者の主張は、到底首肯し難いところです。

・前田建設は、再三、当社の内部留保を前田建設グループ内で活用したいなどと述べており、前田建設及び公開買付者が当社の経営支配権を取得した場合には、当社の少数株主の皆様にとって極めて深刻な事態を招来するものと考えます。

ま、ちょっと長くなるので抜粋はこれくらいにしておきます。「時流に遅れた体制を維持する前田建設」って、なかなか厳しい指摘ですね~。

前田道路のリーガルアドバイザーはTMI総合法律事務所でう。フィナンシャル・アドバイザーは不明です。ま、TOB価格についてまだ言及していませんからね。これから言及するのでしょう。

私としてはパックマンディフェンスを期待していましたが、今回の反対意見表明を読むと、なんだかホワイトナイトの登場に期待してしまいますね。価格について言及しないときって、だいたいホワイトナイトが出てくる印象があるんですよね(全部調べた訳ではありません。私の経験に基づくカンですので)。ホワイトナイトのTOBが公表されたときに「前田建設工業のTOB価格は安すぎる!」って。

なお、投資は自己責任でお願いします。

 

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