2020年03月02日

前田道路に関する東洋経済の記事

東洋経済オンラインに以下の記事が掲載されています。

前田道路社長が激白「建設よ、もう1度考え直せ」 巨額配当とNIPPOとの提携に踏み出した真意

ちょっと抜粋します。

――なぜ、このタイミングでNIPPOと資本提携の検討を開始したのですか。

道路舗装に使うアスファルト合材の製造量はピークだった1990年代から半減した。一方で生産設備は8割ぐらいにしか減っていない。合理化や更新投資の負担を考えると、5~6年前から、ある程度の業界再編・合従連衡が必要だと考えていた。

ここ数年、舗装業界には独占禁止法違反の問題があった。業界の首位と2位が協議するのは問題があるかなと思うが、世間の流れも再編が主流になってきた。

そういうタイミングでNIPPOの方から2019年12月に将来を見据えた検討の提案があり、いったん話が途絶えたあと、2020年1月にそれをやりましょうとなった。TOBと重なったのは偶然だ。

完全に前田建設工業の敵対的TOBへの対抗策に見えるのは私だけでしょうか?ただ、対抗策にはなっていないのですがね。そもそも前田道路の公表資料を見る限り、何も具体的なことは記載されていませんよね。「両社は、今後、独占禁止法その他の関係法令の規制を遵守しつつ具体的な提携内容について協議を進めていきます」ってプレスには書いてありますけど、普通、具体的な提携内容を協議してから公表しませんか?また、株式もお互いに保有するようですが、「両社は前述の提携の目的を確実に構築・推進するために、5%程度の政策的株式の保有を今後検討してまいります。検討内容は協議が整った時点で改めて発表します。」とあります。本当に何も決まっていない状況なのではないでしょうか?普通、この状況でプレスリリースで公表しますか?対抗策になっていない対抗策としか見えないのですが。

――2月20日に発表した特別配当650円で純資産を圧縮し、前田建設側がTOBを撤回することも可能になりました。これは対抗策なのですか。

そもそも対抗策をとっているつもりはない。もう1回考え直してください、それが特別配当だ。

随分昔から、前田建設と資本関係を解消するために内部留保を積み上げてきた。今回は提携解消のために、自社株買いをする予定だったが、前田建設が売ってくれないから直接配当で株主への還元策に変えた。それがTOBの撤回要件に当たるから、「もう1度、踏みとどまって再考してくれませんか」ということだ。

繰り返しになるが、(強引に子会社化をすれば)人材の流出が起こる、前田建設の株主のためにもならない。NIPPOとの資本業務提携は企業価値を高めるには良い方法だ。

どういう選択が良いのか、前田建設には1回踏みとどまって考えて欲しい。そのために臨時株主総会を開催する。

うーん、踏みとどまって再考してほしいから特別配当を実施するんですか?だとしたら、戦略として間違っていると思います。そんな生ぬるいやり方で再考などする訳がありません。だから私は以下の策がいいと考えてきました。

No.775 前田道路はパックマンを「主軸」にして対応すればよかったと思います

No.776 前田道路がなぜこんな戦略を取ったのか理解に苦しむ

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ