2020年03月13日

前田建設による前田道路に対する敵対的TOBはどうなったか?

時事通信は「TOBは成立した可能性が高い」と報じています。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031201293&g=eco

成立はしています。必ず。なぜなら前田建設による前田道路に対する敵対的TOBの条件は以下の通りだからです。

TOB価格:3,950円※プレミアムについては、前営業日株価2,633円に50.02%、直近1か月終値平均2,671円に47.88%、直近3か月終値平均2,546円に55.15%、直近6か月終値平均2,443円に61.69%。前田道路のBPS(1株当たり純資産)は2,441.56円。

買付予定数の上限:21,811,300株(所有割合26.32%) ※すでに前田建設工業が所有している前田道路株式20,459,900株(所有割合24.68%)と合わせると51.00%

買付予定数の下限:なし 

TOB期間:2020年1月21日(火)から3月4日(水)までの30営業日間⇒3月12日(木)までの36営業日間

FA・公開買付代理人:大和証券

買付予定数の下限が付されていませんから、100株でも応募があれば成立します。成立したかと言われれば、ほぼ100%成立しているでしょう。では「成功したか?」と言われればどうでしょうか?

まあ、TOB価格と株価の状況を考えれば成功している可能性が非常に高いでしょう。さて、前田建設は今後どうするのでしょうか?そうはいっても特別配当の臨時株主総会がこれから控えています。普通に考えたら「3,950円で買ってもらったけど、特別配当もほしい」と考える株主が多いでしょう。TOBには上限が付されていますから、按分になった可能性も高いですから、応募した株式を全株買ってもらえたわけではないかもしれません。となると、特別配当議案に賛成する株主が多いのではないでしょうか?

なぜTOBを延長したり、撤回してTOB価格を設定しなおして再度TOBを実施するという選択をなぜ前田建設が取らなかったのか?理由が知りたいですね。

 

 

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