2020年03月10日

票読みが厳しいのかな?

3月9日に公表されたオフィスサポートの「東芝機械の買収防衛策反対のお願い」というパワーポイントの資料です。

http://officesupport.bz/

P3に「公開買付けにより東芝機械が「前進」したことを評価」とあります。そこには、以下のような記載があります。

①本公開買付けにより、株価が向上し、株主価値向上が実現されている。

②経営陣が、経営改革プランの策定に際し「不退転の決意と覚悟を持って邁進する所存」と 表明され、企業価値及び株主価値に対する責任を真摯に捉えはじめた様子であること。

③坂本代表取締役社長が「ROE目標は概念的な目標に近かった。元々の株主は東芝でそこに目線が向かっていたのは大きな反省だ。一般株主にしっかりと目を向けたい」とご発言され、これまでの不誠実な経営をご反省頂いていること。

④不誠実な経営の責任として、役員報酬の一部を自主返上の方針とのこと。会長と社長は月額報酬の20%を2月分から6カ月間返上するとのこと。これまで内部留保を活用せず、また経営目標を達成できず、企業価値及び株主価値向上を実現しなかった中で、リストラを発表したことについても、役員として責任を一部とられた模様。

村上さんたちのトーンが少しダウンしていますかね?また、3月9日に公表された「弊社書簡の送付」には、以下のようなことが書かれています。

・買収防衛策の発動が否決された場合であっても、公開買付けを予定通り実施された場合でも、特別配当を除く最低約120億円の株主還元を実施してくれれば、定時株主総会における役員選任議案には賛成する。

・公開買付けの目的は「議決権割合を増やすことによって貴社に対して適切な経営を働きかけること」だが、貴社経営陣による主体的な株主価値向上策が実現されるのであれば、その目的は達成されることから、貴社株価がPBR1倍程度であれば弊社らの議決権割合を1/3程度まで低下させることも検討可能。

・貴社のような合従連衡が起こりうる業界については、M&Aや業界再編による規模の追求は企業の成長戦略として有効であり、株主価値及びすべてのステークホルダーの価値最大化につながるのであれば基本的に賛成する。

・・・・??? なんかだいぶ落ち着いてきましたね。株主名簿を閲覧した結果、戦略を変えてきたのでしょうか?2019/3期末の上位株主、株主構成を見ると、対抗措置発動議案を可決させることは非常に難しいと思います。現に、東芝機械は平時の事前警告型買収防衛の継続をあきらめています。通せる自信があるのなら継続していたでしょう。でも今回発動議案をかけるということは、何らかの対策を講じたからと考えることもできます。水面下で協力会社、取引先、OBなどに基準日までの買い増しを要請した可能性もあるでしょう。

でもその努力を平時からしておいたほうがよかったですよね?そうすれば事前警告型買収防衛を継続できたし、このような事態にもならなかったのではないでしょうか?

やっぱり平時からちゃんと企業防衛体制についての議論や対策をしておくことが重要と言えます。

 

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