2020年03月16日

機関投資家の皆さんは平時の事前警告型買収防衛策に賛成してはどうでしょうか?

東芝機械の有事導入型の買収防衛策、サブマリン型買収防衛策と呼びましょうか。東芝機械のサブマリン型買収防衛策の発動が認められたら、日本企業にどういう影響をおよぼすでしょうか?

これだけ機関投資家の皆さんが平時の事前警告型買収防衛策の継続や導入に反対する中、日本企業は平時の事前警告型買収防衛策をあきらめるでしょう。そして「いざとなったら、東芝機械のようにサブマリン型買収防衛策を導入して発動すればよい!」と考えだすかもしれません。

そうなってしまうと、私は健全な資本市場の育成に支障をおよぼすように思うのです。敵対的TOBが仕掛けられ、応募しようとする株主が応募できない、市場で株を買ってサヤを抜こうとするアービトラージャーの活動も沈静化してしまう。TOBが仕掛けられたのに、投資家は「日本企業は何をしでかすかわからない」と考えて、誰も手を出さなくなります。資本市場の健全な価格形成に悪影響が出るかもしれません。

個人的には東芝機械には助かってほしいと思うものの、やはり健全な資本市場の育成、発展という観点から考えると、少なくとも事前に詳細な開示のない形で突如としてサブマリン型買収防衛策を導入・発動するのはどうなのかなと思うのです。

機関投資家の皆さんもこのようなサブマリン型買収防衛策に賛成でしょうか?このようなサブマリン型買収防衛策を突如として導入されるくらいなら、事前にきちんと詳細な内容を開示している事前警告型買収防衛策のほうがよっぽどよいのではないでしょうか?皆さんが事前警告型買収防衛策に反対し続ける限り、日本企業はサブマリン型買収防衛策へと移行してしまいます。

そろそろ本来情報と時間を確保することだけが目的の事前警告型買収防衛策へのスタンスをあらためてはどうでしょうか?情報と時間を確保するための事前警告型買収防衛策は本来株主にとって重要なルールではないでしょうか?

 

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