2022年04月26日

ツイッターがマスク氏の買収提案を受け入れ

以下のとおり、ツイッターがイーロン・マスク氏の買収提案を受け入れると報じられています。

Twitter、マスク氏の買収提案受け入れ 5.6兆円規模

マスク氏は4月4日にツイッターの9%分の株式を保有していると表明し、13日には残る全株式を取得すると提案した。ツイッターの取締役会はマスク氏の提案に回答しないまま、15日に買収防衛策を導入。事実上、反対する姿勢を示していた。

マスク氏は21日、金融機関からの借り入れや自己資金の投入などで総額465億ドルの買収資金を確保したと公表し、提案を真剣に検討するようツイッターに圧力をかけていた。買収に向けた本気度が示されたことで、取締役会は提案を受け入れる方針への転換を余儀なくされたとみられる。

以下のとおり私は「米国企業が買収防衛策をどう使うのか注目すべき」と申し上げました。

ツイッターが買収防衛策をどう使うかよく見ておくべきです

ツイッターはイーロン・マスク氏の買収提案に対して、「とりあえず」ポイズンピルで対抗するようです。「とりあえず」と書いたのはあえてです。この件で注目すべきは「ツイッターという米国企業がポイズンピル=買収防衛策をどのように使うのか?」です。

日本企業のように有事型買収防衛策を突如として導入し、臨時株主総会を開催して買収防衛策を発動しようとするのか?それとも別の使い方をするのか?敵対的買収が普通に起きる米国で買収防衛策がどのように使われるのか経営者は注目しておく必要があります。

日本では有事型買収防衛策は発動前提、つまり買収防衛策として利用されていると思いますが、果たして敵対的買収大国である米国ではどのように利用するのか?

それこそが今後の日本の株式市場で起きることだからです。日本では発動事例が多発していますが、今後、敵対的買収が増えていくと、「本当に発動してよいのか」という議論が巻き起こることでしょう。だからこそツイッターという誰もが知っている企業がどういう使い方をするのか知っておく必要があります。

結局ツイッターは有事に導入したポイズンピル=買収防衛策を発動することなく、イーロン・マスク氏の買収提案を受け入れることにしました。日本の有事型買収防衛とは違いますね。2020年から有事型買収防衛策の発動事例が多発しましたが、敵対的買収大国であり、ポイズンピル発祥の国である米国では、ポイズンピルをやはり発動させませんでした。

おそらくマスコミもツイッターの事例を見て「買収防衛策を発動させまくる日本企業のスタンスはおかしくないか?」「買収防衛策は買収者との交渉ツールであり、発動前提は間違っているのではないか?」という記事を書くでしょう。

明日のコラムでまとめますが、私は必要に応じて日本では「まだ」買収防衛策を発動してもよいと考えています。なぜなら、敵対的買収の事例が少なく、上場企業の経験値が低いことに加えて、買収者の経験値も低いからです。投資家の経験値もまだ低いと言ってもよいかもしれません。※ただ、東芝機械や富士興産の事例において、投資家は自身に不利益を被るかもしれない買収提案に対する防衛策の発動には賛成していますから、一定の経験値はあります。特に海外の投資家は。

日本の経営者が買収防衛策を交渉ツールに使おうとしても、買収者が交渉に乗ってきません。だから交渉ツールとして機能しないから、本当に発動せざるを得ません。

ただ、本当に買収者が買収防衛策の機能に気づいたとき、日本の買収防衛策は交渉ツールとしてしか機能しなくなります。以下のとおりです。すみません、法人会員のみです。

No.1297 ツイッターのケースを見て思いついたアイデア~有事型買収防衛策にはこうやって対抗する~

 

 

 

 

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ