2022年07月21日

また有事型買収防衛策の事例

オーバル(コード7727 プライム)という会社が有事型買収防衛策の導入を公表しました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120220720502300.pdf

臨時株主総会も開催するようですが、対抗措置発動議案をかけるというよりは、今後の検討次第で対抗措置を発動することもありえるから、対抗措置発を発動するための株主意思確認総会を開催することになった場合に備えて基準日を設定した、という趣旨のようです。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120220720502319.pdf

で、誰に買われているかと言うと、Anton Paar Gmbhという相手だそうです。オーストリア法に基づく有限責任会社だそうです。大量保有報告書に記載されている事業内容は「研究室及び製造工程用の分析機器の開発、製造及び販売」だそうです。

四季報によるとオーバルは「流量計など流体計測機器の最大手。好採算の液体向けがセンサー部門の7割。海外へも展開」だそうです。同業による株式取得なのかな?

大量保有報告書・変更報告書の提出状況ですが、

7月6日(水) 5.04%

7月7日(木) 6.25%

7月20日(水) 7.29%、8.38%

です。保有目的は「政策投資。なお、状況等に応じて、重要提案行為等を行うこと。」です。

うーん、買っているとはいえ、まだ8%程度ですよねえ。これ、大々的に有事型で対抗する案件なの???さくっと平時型を入れておけばいいだけの話では?例えばクックパッドみたいに。

8.38%買っただけで「目的はなんだー!うちを支配するつもりかー!」「有事型で対抗じゃー!」「オラー!臨時株主総会の基準日も設定したぞー!」って、ちょっと興奮しすぎじゃないですか?

ざっと計算しても安定株主比率は30%以上ありますし、個人株主比率も高いです。平時型を入れようと思えば株主総会でラクラク通せる株主構成ですよ。

以下はAnton Paar Gmbhに送付した説明書の提出要請なのですが、あて先はAnton Paar GmbhのCEOで、その下に「写し送付 フロンティア・マネジメント株式会社」になっています。Anton Paar GmbhのFAがフロンティア・マネジメントなの?議決権を20%以上にすることを目的とする株式取得が行われていることが合理的に判断される、ってあるんですけど、どういう理由なのでしょうか。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120220720502311.pdf

経緯がよくわからないので、もしかしたら有事型での対抗が必要なのかもしれませんが、これまでだとこういう場合は平時型で対応していましたね。多額のコストをかけてまで有事型で対抗する必要があるのでしょうか?

 

 

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