2020年06月01日

コロワイドvs大戸屋のポイントは?

日経電子版に以下の記事が掲載されています。

大戸屋、対コロワイドで成長戦略 株主総会でどう判断

定食チェーン「大戸屋」を展開する大戸屋ホールディングスに、大株主で外食大手のコロワイドが株主提案を発表してから1カ月あまり。コロワイドは6月25日に迎える大戸屋HDの定時株主総会で、業績が低迷する大戸屋HD経営陣の刷新を求める。対する大戸屋HDは5月25日に成長戦略を中心とした中期経営計画を公表した。この計画が、株式保有比率の6割以上を占める一般個人株主に納得してもらえるかが総会の結果を左右しそうだ。

一方で以下の報道もあります。

コロワイド、大戸屋“乗っ取り劇”の全真相…大戸屋創業者の長男を抱き込み、敵対的TOBも

株主総会で、この議案を通して経営陣を刷新できれば、TOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の組み合わせで持ち株比率を51%にまで高め、連結子会社とする。プロキシーファイト(委任状争奪戦)となり、大戸屋の勝利に終わった場合でも諦めない。再び臨時株主総会を請求し、経営陣刷新を求め、敵対的TOBを始めるとしている。

経営陣を刷新できれば、TOBと第三者割当増資の組み合わせで連結子会社化、ダメでも臨時株主総会を請求し、敵対的TOBを開始、だそうです。

となると、今回の株主提案のポイントは、大戸屋が公表した中期経営計画の納得性ではなく、コロワイドが大戸屋の「株主」に対して提示する子会社化の条件ではないでしょうか?

現時点で子会社化の条件は明らかになっていません。であれば、今回の株主総会で大戸屋の株主がコロワイドの提案を支持してしまうと、子会社化の条件や手法をコロワイドにすべてまかせる、ということになります。

さすがにどうかと思いますよ。大戸屋の株主はコロワイドに対して「株主優待の強化ではなく、まずは子会社化する条件を提示せよ!」と主張すべきではないでしょうか?第三者割当増資も組み合わせるとなると、希薄化が生じます。どの程度の増資を考えているのか、TOB価格はいくらなのかがわからない状態で、コロワイドの株主提案を支持するのは、大戸屋の株主にとってよいことなのかどうか疑問ですね。

焦点は、大戸屋の中期経営計画ではなく、コロワイドの大戸屋株主に提示するTOB条件、第三者割当増資の内容ではないでしょうか?現時点でコロワイドがTOB条件などを提示しない理由もよくわかりませんね。株主はこういうときこそ声を上げたほうがよいのではないでしょうか?

 

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