2020年06月19日

コロワイドvs大戸屋~株主も気付き始めたかな?~

大戸屋に対して株主提案をしているコロワイドですが、当HPで何度も指摘しているとおり、コロワイドは大戸屋の株式を約19%しか保有していません。しかし株主提案でコロワイド側の取締役を送り込むことで、19%しか保有していないにもかかわらず、大戸屋を実質的に支配しようとしています。

そしてコロワイドは大戸屋を子会社化すると報道されています。

コロワイドは大戸屋HDの筆頭株主で約19%を保有する。昨年末から水面下で事実上の買収提案を繰り返したが、大戸屋HDが独立経営の維持を主張しているため強硬手段に訴えた。4月14日、6月の定時株主総会に向けて大戸屋HDの取締役候補12人を選任する株主提案を公表した。

このうち7人はコロワイド側の人選だ。経営陣を刷新できればTOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の組み合わせで持ち株比率を50%強に高め、連結子会社にする考え。

仮にプロキシーファイト(委任状争奪戦)となり、大戸屋HDの勝利に終わった場合でも諦めない。再び臨時株主総会を請求して経営陣刷新を求めたり、敵対的TOBを始めたりする方針だ。

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00586/

取締役会をコロワイドが支配してしまえば、どのような条件であっても支持するでしょう。それが大戸屋の株主にとって不利な内容であっても、コロワイドに有利な内容であれば。

だから大戸屋の株主は現時点でコロワイドの株主提案に賛成すべきではないのです。今回の株主提案のポイントは、コロワイドと大戸屋現経営陣のどちらが大戸屋を経営すれば大戸屋がよくなるのか?ではありません。今回のポイントハは、コロワイドがどのような条件で大戸屋を子会社化するのか?です。

いったいいくらで大戸屋株をコロワイドは買ってくれるのか?つまり、TOB価格はいくらなのか?そして何株買うのか?です。

大戸屋の株主が合理的に考えれば、今コロワイドの株主提案に賛成するのは得策ではないとわかるはずです。

そして今回の勝負は株主提案ではありません。株主提案が失敗した後に実施されるかもしれない「敵対的TOB」なのです。

 

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