2020年07月08日

ワタミ渡邉CEOの「大戸屋株主総会に思うこと」

夕刊フジに以下の記事が掲載されています。おもしろいので取り上げます。

【経営者目線】「大戸屋株主総会」に思うこと 日経平均の先行きと「超インフレ」懸念

業績が悪化していた定食チェーンを展開する大戸屋ホールディングスの定時株主総会で、筆頭株主の外食大手コロワイドから、経営陣刷新を求めた株主提案が出されたが否決された。大戸屋側の取締役選任案が承認され、約6割の個人株主らが現経営陣を支持する形となった。

コロワイド側は、業績改善の効率化のために、調理を一手に引き受ける「セントラルキッチン方式」への転換などを提案したというが、大戸屋創業者の三森久実さんは、かつて私に「手作りの定食屋をやっていきたい」と語っていた。会社は何かしらの思いを形にする存在であり、その思いの共有が大事だ。多くの株主も創業理念でもある「効率よりも味」をとり、現経営陣を支持したようだ。

半分正解、半分間違い、ですね。今回コロワイドの議決権がカウントされていないので、臨時報告書で開示された株主提案への賛成率は15%程度になっていますが、コロワイドの議決権をカウントすれば42%程度の賛成率です。たしかに多くの株主が現経営陣を支持したということは正しいのですが、創業理念でもある「効率よりも味」を支持したかと言われれば、そうとは言い切れません。

単に多くの株主が「コロワイドは大戸屋を子会社化する方針のようだが、現時点で子会社化の条件が明らかにされていない。いったいいくらで私の株を買ってくれるのか?何株買ってくれるのか?TOB条件等が明らかにならない限りはコロワイドを支持できない」と考えた株主も多いでしょう。

一方、それだけに現経営陣側の責任も重い。赤字が続けば、創業理念すら否定されかねない。多くの株主を納得させるため、現経営陣が今後のストーリーを描けるかが勝負になる。

はい、大戸屋の経営陣の責任は重いです。結果を出さないと、またコロワイドに株主提案をされ、今度は可決されるかもしれませんから。

というかコロワイドが敵対的TOBを仕掛けてきたら、ホワイトナイトがいないと守り切れません。大戸屋の経営陣に与えられている時間はさほどないかもしれません。

大戸屋の経営陣がなぜ今回の株主総会で勝利できたのかという理由を理解していないと、次は負けるかもしれません。

 

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