2020年07月17日

大戸屋の従業員は本当にリスクを認識した上で行動していますか?

大戸屋の従業員は、今回のコロワイドのTOBの成功可能性を認識した上で、コロワイドに対抗しているのでしょうか?根本的なことを聞きたいのですが、大戸屋の従業員は「TOB」とは何かを知っているのでしょうか?TOBルールを知っていますか?

大戸屋の従業員は反対声明を独自に書いたのでしょうか?それともアドバイザーがドラフトを作成して見せられ「はい!これでいいです!」って言ったんでしょうね・・・。

TOBは上場している以上、どの会社も仕掛けられるリスクがあります。TOBを仕掛けられたからと言って「コロワイドは自己都合の観点のみで強引な手法による子会社化を進めようとしている」なんて言わないほうがいいですよ。上場している以上、敵対的TOBを仕掛けられるのはどの会社も共通して持っているリスクです。

敵対的TOBを仕掛けられたからと言って、記者会見で

「従業員に不安と動揺をもたらすコロワイドのやり方は、強い憤りを覚える」と強調。一方的なTOB表明や現取締役の解任は経営の混乱を招くと主張し、大戸屋HD株主に対し「TOBに応募しないようお願いしたい」と訴えた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/68279a4f021e9bf4e316a99c935f0e3cc0d36a9a

と訴えても意味がありません。もちろん、このような感情に訴えるやり方でTOBに応じない株主もいるかもしれませんが、基本的に株主は「儲けるため」に貴社株式を保有しているのです。

なお「一方的なTOB表明や現取締役の解任は経営の混乱を招く」と言っているようですが、混乱を招かないようにするのが貴社取締役会、経営者の役目です。コロワイドに敵対的TOBを仕掛けられたからと言って、混乱してしまうのであれば、それは貴社取締役会、経営者に責任があります。

本当に反対声明や記者会見を行うことのリスクを十分認識した上で行動しましたか?従業員の皆さんの人生がかかっているのかもしれないのですよ。

せめて、反対声明を出すとしても、貴社取締役会が反対意見を表明したのち、「従業員一同は取締役会の意見を支持する」程度でよかったのでは?

「前田道路も取締役会が反対意見を表明する前に反対声明を出したぞ!」 もしかしてアドバイザーが「前田道路のときも労働組合が反対声明を先に出したんですよ」なーんていう説明を受けてません???

もしそうだとしたら、負けた会社の事例を参考にしてどうするんですか・・・。前田建設による前田道路に対する敵対的TOBは成功しましたよ。労働組合の反対声明がなんの効果もなかったということです。

 

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