2020年07月09日
大戸屋は質問権を行使しないんじゃないかな?
コロワイドに敵対的TOBを仕掛けられた大戸屋ですが、敵対的TOBの一般的な流れは以下のとおりです。
買付者が敵対的TOB開始
→対象者が当座のコメントを公表
→対象者が留保の意見表明+質問権を行使(10営業日以内)
→買付者が対質問回答報告書(質問権行使から5営業日以内)
→対象者が賛否の意見表明
伊藤忠に敵対的TOBを仕掛けられたデサントは質問権を行使しませんでした。たぶん、敵対的TOBにいたるまでに相当やりとりをしていたし、聞くこともないと判断したのかもしれません。それに加えて、まともに回答されて反論しにくくなると困るから、って理由もあるように思います。
おそらく今回大戸屋はまた「店内調理vs工場」「創業者の理念」といったことを全面的にアピールするのでしょう。コロワイドは敵対的TOBのプレスリリースにおいて
また、公開買付者は、従前より、対象者グループが営む「大戸屋」の強みは、「店内調理」とこれにより担保される品質、及びこれらに対するお客様の信頼にあると考えており、本公開買付け成立後においても、公開買付者は、「店内調理」を継続し、お客様の信頼に足る品質を担保することで、対象者の第37回定時株主総会においては、公開買付者の認識によれば、対象者執行部のセントラルキッチンに関する恣意的な情報操作及び情報の歪曲とこれに基づく誤誘導の 影響により株主提案に反対されたと推測される対象者の一般株主の皆様の多くのご期待にも沿えるものと考えております。
と言っています。ヘタに大戸屋が店内調理やセントラルキッチンの利用について質問し、コロワイドにまともに回答されたら反論しにくくなるので、あえて質問権を行使しないという戦い方を選ぶのではないかと推測します。