2020年07月10日

大戸屋が取り得る対抗策は?

さてコロワイドに敵対的TOBを仕掛けられた大戸屋ですが、どんな対抗策があるでしょうか?一般論を含めて列挙してみましょう。

①大幅増配・自社株買い

②持ち合い

③コロワイドから自社株買い

④第三者割当増資

⑤MBO

⑥ホワイトナイト

⑦パックマン

⑧新たな事業計画の提示

こんな感じですね。もっとあるのですが、無料公開記事なのでこの辺でやめておきます。

「①大幅増配・自社株買い」については、厳しいですね。買収者がファンドというフィナンシャル・バイヤーなら対抗策としてあり得ますが、コロワイドは事業会社です。コロワイドの狙いは大戸屋の財務ではありません。増配したところで、増配効果がはげ落ちた後、またTOBをしかければよいだけですから。前田道路と同じことです。

「②持ち合い」は、もうタイミングが遅すぎます。TOBがかかっている最中に持ち合いをお願いしても、応じてくれる先などないでしょう。状況次第では、インサイダー取引になってしまうリスクもあります。

「③コロワイドから自社株買い」もないですね。まずコロワイドが応じません。

「④第三者割当増資」もかなり厳しです。コロワイドに発行差止請求をされたら終わりでしょう。このタイミングではまずムリです。

「⑤MBO」については、MBOではコロワイドに対抗できません。そもそもコロワイドは自社とのシナジー効果の発揮をベースにして3,081円という高いTOB価格を提示しています。MBOではシナジー効果がありませんから、コロワイドほど高いTOB価格を提示できないでしょう。

「⑥ホワイトナイト」 これは可能です。

「⑦パックマン」はムリです。コロワイドの規模が大戸屋にとっては大きすぎます。前田道路ならできたんですけどね。

「⑧新たな事業計画の提示」については、すでに大戸屋は株主提案時に新たな中期経営計画を提示してしまいました。そしてコロワイドは中計提示後の株価を上回るTOB価格を提示してしまいました。株主・投資家はコロワイドを支持するでしょう。

ということで「⑥ホワイトナイト」しかありませんね。ま、実は他にもこんな策があります。

No.815 大戸屋が株主提案に勝ったら次はこう戦えばよし!

No.816 大戸屋がホワイトナイトに救出依頼をするのならこういう形にしてみては?

大戸屋はもう腹をくくるしかありません。逆に言えば、腹を括ればまた勝てる余地があります。

 

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