2020年09月08日

コロワイドの敵対的TOBが成立!

以下のとおり日経が報じています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63563210Y0A900C2DTD000/

・外食大手コロワイドによる定食チェーンの大戸屋HDのTOBが8日、成立する見通しとなった。コロワイドが保有する約19%とTOBへの応募株の合計で46%程度となり、40%を下限とする成立条件を上回ったもよう。

・大戸屋HDの筆頭株主であるコロワイドは、7月10日にTOBを始めた。TOB価格は買い付け開始直前の株価に46%のプレミアムをのせた3081円。9月8日午前に募集期限を迎え、応募株式の下限である20.8%を上回る約27%の株式の応募があったもようだ。

コロワイドの作戦が見事に当たりましたね、というより、大戸屋の対応があまりに稚拙だったと思うのは私だけでしょうか?下限を引き下げてくることなど、敵対的TOBを経験しているアドバイザーであれば誰でも想定できることです。

何度も申し上げている通り、この勝負はホワイトナイトなしで勝つのはムリなのです。すでにコロワイドに20%もの株式を握られており、かつ、個人株主が大半を占めている状態です。そして安定株主はほとんどいません。

このような状況において、株主に対して「応募しないでください!」と情に訴える作戦を展開したところで限界があります。コロワイドが3,081円のTOB価格を提示している中、大戸屋がホワイトナイトによるカウンターTOBという実弾なくして勝てる訳がありません。

そもそも大戸屋がこの作戦で勝てると思った根拠が知りたい・・・。当たって砕けろ作戦ですか?

それにしても、今回の勝負において、大戸屋の方からは本当に具体的な対抗策がほとんどありませんでしたね。株主提案に勝ったことで大きく油断していたのでは?大戸屋は株主提案と敵対的TOBをわけて対応してしまいましたね。今回の勝負はつながっています。

株主提案対応において、「株主提案に勝ったとしても、総会終了後、すぐに敵対的TOBを仕掛けてくる可能性がある」と考えて準備をしておくべきでした。

非常に残念な戦い方でした・・・。でも、皆さんも敵対的TOBを仕掛けられたら、大戸屋と同じような戦い方をしてしまうと思いますよ。敵対的TOBや企業防衛について普段からちゃんと勉強、検討していなかったら。

明日は我が身なのです。

 

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