2021年10月01日

SBIが新生銀行に回答を催促。さて発動するにしても株数はどうする?

SBIが新生銀行に対して3つの質問をしていますが、新生銀行は「公開買付けにおける手続き外で回答を行うのではなく、公開買付者が提 出した対質問回答報告書の内容とも合わせ、当行取締役会が本公開買付けを検討・評価し最終的な意 見を取りまとめるにあたって、貴重なご指摘として参考にさせていただきます。」としています。

SBIは以下のとおり、回答を催促しました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120211001405819.pdf

SBIは「対象者 が買収防衛策に係る対抗措置を発動する場合に割り当てられる甲種新株予約権及び乙種新株予約権1個あたりの目的となる株式の数」についても早急に示せと言っています。

これ、何を言っているのかと言うと、2021年8月12日時点における新生銀行の発行済株式総数が259,034,689株に対して、発行可能株式総数が400,000,000株しかないのです。つまり、買収防衛策における対抗措置を発動=新株予約権の無償割当を全株主に対して行っても、新株予約権1個あたりの株式数を1株にできないということです。1株にしてしまうと発行可能株式総数を超えてしまいます。

たまにあります。例えば、もう買収防衛策を廃止しましたけど、以下、三菱地所のケースです。

https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec160519%20timely_disclosure.pdf

三菱地所はかつて買収防衛策を導入していましたが、当時、発行可能株式総数が発行済株式総数の2倍ない状態でした。三菱地所は買収防衛策プレスP14の注記で以下のとおり記載しています。

2016年5月19日時点において、当社の発行可能株式総数は19億8,000万株、発行済株式総数は1,390,397,097株となっており、これらを前提とすると、本新株予約権の目的である株式の数は0.4株が上限となります。

もちろん新生銀行が臨時株主総会で定款変更をし発行可能株式総数を拡大することも考えられますが、特別決議が必要です。多くの機関投資家は買収防衛策に関連する発行可能株式総数の拡大には反対する傾向がありますし、そもそも、新生銀行の買収防衛策発動議案に賛成しないと定款変更にも賛成してくれません。かなりハードルが高いです。

となると、新株予約権の目的となる株数を0.5株にしないとムリですかね。となると100株しか保有していない株主は50株しか割り当てられませんね。発行可能株式総数が発行済株式総数の2倍ない状態で買収防衛策を発動したケースはありません(と私の記憶の限りでは思います)。さてどういう発動にするのでしょうか?

 

 

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