2022年03月24日

東芝の会社分割案が否決

本日、東芝の臨時株主総会が開催されましたが、大方の予想どおり会社提案である分割案の議案が否決されました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2365I0T20C22A3000000/?n_cid=BMSR3P001_202203241217

一方で、株主提案も否決されています。こちらは定款変更議案ですから、そもそも通すのは難しい議案でしたので仕方がないでしょう。

記事には「意思決定の迅速化などの利点を訴えていたが、受け入れられなかった。東芝再建に向けた戦略作りは振り出しに戻ることとなる。」とありますが、そもそもこの東芝を分割する議案は東芝再建に向けた戦略だったのか私には疑問です。アクティビストを納得させ株価を上げるための単なる苦肉の策だったように見えます。

私はこの分割案が否決されてよかったと思っています。なぜなら東芝を分割することは、中長期的な企業価値向上にはつながらないと考えるからです。

東芝は株主構成について根本的に考え直す必要があります。これまでのようにアクティビストを気遣い、アクテイビストが納得するためだけの戦略を策定し、アクティビスト中心の経営をしてきました。※東芝はそう思っていないかもしれませんが、私にはそう見えます。

そのような特定のステークホルダーだけを重視する経営はやめるべきです。アクティビストは「会社は株主のものだ!」と言いますが、そんなことはありません。会社経営において、株主は資金の出し手ではありますが、経営の中心に存在するものではなく、あくまで黒子であるべきです。ただ、ほかのステークホルダーに劣る存在と言うつもりはありません。ステークホルダーに優劣はありません。

しかし会社は株主のものではないし、そもそもモノではないのです。株主以外のステークホルダーにとって、東芝を分割してよいのでしょうか?それが本当に東芝の価値を向上させることでしょうか?

東芝は東芝の強みを今一度考えてみてはどうでしょうか?東芝の強みを知っているのは誰でしょう?経営陣と従業員ですよ。経営陣はまずアクティビストではなく、従業員とよく話し合うべきでは?株主利益を考えることは本当に大切なことですが、東芝の価値の源泉は従業員では?その従業員が東芝をどうしていきたいと思っているのか、よく話し合うべきです。

そして経営陣は従業員とともに会社を守り、価値を向上させていくべきです。以下のような感じで。

https://ib-consulting.jp/column/3970/

今回の議案は否決されてよかったのです。従業員のためになりません。

 

 

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