2022年04月07日

セブン&アイが経営者メッセージを発信

以下のとおり、セブン&アイが株主をはじめとしたステークホルダー向けのメッセージを公表しました。

https://www.7andi.com/library/dbps_data/_material_/localhost/ja/release_pdf/2022_0407_ir01.pdf

これはバリューアクトによるヨーカ堂の切り離しに対するセブンの考え方を広く示したものという位置付けでしょう。全文をきっちりと読んだわけではないのですが、おそらく以下の部分を主張したのだろうと想定します。

2. 食品事業戦略軸で CVS 事業、スーパーストア事業の競争力を強化します

「中期経営計画」においては、国内外の CVS 事業を当社グループの成長ドライバーとするとともに、グループ国内売上の6割強(2021年度実績ベース)を占める食品事業を戦略的な成長領域と位置付けていま す。

当社グループでは食品事業の競争力強化により食品市場におけるシェア拡大を目指しており、業態を越えてグループ総力を結集し、ブランドの育成強化を図っています。とりわけ、2007年より展開しているグループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」は、革新性および認知度の高さ、お客様からのご支持等の点で、競争力の源泉となっています。セブンプレミアムの開発は、SEJ が独自に創出した開発プロセス、IY の生鮮品、加工食品等にわたる幅広い調達力、さらにグループ内の多様な知見、情報力、そしてお取引先様との長年にわたる信頼関係を融合することで可能となっており、流通サービス事業者独自のブランド戦略としては、他に類例のない取り組みとなっています。

高齢化、人口減少等がさらに進み、世界的に見ても非常に複雑な国内消費市場の構造変化のもと、将来にわたって国内 CVS事業として加盟店様とともに持続的な成長を遂げるためには、「SEJ の販売力・競争力を中心におきながら、IY を中心としたスーパーストア事業が有する、産地把握、商品調達、生産管理等の知見やサプライチェーンを活かす」という独自のビジネスモデルを展開していくことが不可欠であり、これが当社グループの強みを最大化する方法であると確信しています。このような国内CVS事業とIYを中心とし たスーパーストア事業の不可分一体な連携は、1つのグループの中に在ってこそ可能となります。とりわけコロナ禍以降、お客様の消費行動や価値観が大きく変容し、よりいっそう緻密な商圏把握、お客様との接点の多様化と深化が求められている環境下においては、まさにこのような国内CVS事業とスーパーストア事業が 一体となった強みが発揮されるものと考えます。 

一部抜粋です。これ、非常に長いのですが、言いたいことは「コンビニとヨーカ堂は切っても切れないのでヨーカ堂を切り離すことはしません」ってことですよね?

修飾語が多くて長くなっていますが、ようはそういうことです。これでバリューアクトが納得しますかね?おそらくこの内容は、これまでセブンがバリューアクトに主張し続けてきたものと変わらないのでは?

いや、別にバリューアクトに納得してもらわなくてもいいのですが、それにしてもこれって、これまで言い続けてきた内容の延長線上、いや、同じことではないかと思うのです。これをずーっと言い続けてきたけど、バリューアクトもサードポイントも納得しなかったんですよね?

説明方法を変えたほうがいいんじゃないかと思うのです。以下、その説明方法について触れていますが、いずれまた詳しく考えた内容をまとめたいと思います。

No.1275 セブン&アイさんはバリューアクトにこうやって対抗したらどうですか?

バリューアクトは「ヨーカ堂を切り離せ」と主張し、セブン「それはダメだ!」と主張し合い、お互いが納得することはないでしょう。

私、素人ですが、たぶんセブンが言っていることの方が正しいはずなんです。でも、バリューアクトを含めた投資家は素人なんですよ。なんとなく投資家がものを言いやすい業種だし、なんとなくそれっぽいことを主張してきますが、やっぱり投資家は素人なんですよ。

その素人がわかるように説明してあげないとダメなんでしょうね。修飾語を用いた説明よりも、具体的な数値を見せてあげて、ヨーカ堂と一緒にやっていることでこんなメリットがあり、一緒にやらないとこういうコスト負担が発生するとか・・・。まあ、数値を見せるのも限界があるとは思うのですが、そうでもしないとこの「ヨーカ堂切り離せ問題」は永遠に続くと思います。

 

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