2022年08月15日

やっぱりジャフコは有事型の導入を株主総会にはかけないということですよね?

以下、本日ジャフコが公表した旧村上ファンドに対する有事型買収防衛策の導入ですが、いくら読んでも導入そのものを株主総会にかけるとは読めません。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120220815520509.pdf

これ、今までの有事型って、導入そのものを株主総会にかけてましたよね?「株主の皆さん、有事型買収防衛策のルール導入に賛成してください」と。そして東芝機械やアスリードは、有事型の導入議案+発動議案を株主総会にかけたという記憶です。

一方、有事型買収防衛策の議案を定時株主総会にかけた東洋建設は、議案を取り下げました。東洋建設は発動議案をかけず、有事型の導入議案のみ定時株主総会にかけました。

これまで有事型で対応した会社の多くはルールの導入そのものも株主総会にかけていたのに、今回のジャフコは株主総会にはかけず、取締役会決議で導入します。発動する際には株主総会にかける、という建付けです。

これ、今回、株主総会にかけずに取締役会決議のみで有事型のルールを導入する理由を、もっと丁寧にわかりやすく株主に説明すべきでは?(プレスで説明していたらすみません。なにせ長くて・・・)

あと気になるのは以下。プレスリリースのP23にあります。太字にしたのは私です。

(2) 株主意思の尊重(株主の皆様のご意思を直接的に反映する仕組みであること)

当社は、本対応方針に基づく対抗措置を発動するに当たっては、株主意思確認総会を開催することにより、株主の皆様の意思を反映いたします。大規模買付者が上記 2(3)に記載した手続を遵守する限り、株主意思確認総会における株主の皆様の意思に基づいてのみ対抗措置の発動の有無が決定されることになります。

また、大規模買付者が上記 2(3)に記載した手続を遵守せず、大規模買付行為等(当社の株券等の追加取得を含みます。)を実施しようとする場合には、独立委員会の意見を最大限尊重した上で、取締役会限りで発動されることになりますが、これは、株主の皆様に必要十分な情報について熟慮した上で大規模買付行為等の賛否を判断する機会を与えないという大規模買付者の判断によるものであり、そのような株主意思を無視する大規模買付行為等に対する対抗措置の発動は、株主の皆様の意思を確認する機会を確保するためにやむを得ないものと考えております

さらに、下記 6 記載のとおり、本対応方針は本日から効力が生じるものとしま すが、その有効期間は、原則として、本日から 1 年間(2023年8月15日まで) とします。

このように、本対応方針は、株主意思を最大限尊重するものです。

太字のところは、買収者がルールを破って買収提案をしてきたら、取締役会決議で対抗措置を発動しますよ、と言っているのですが、終わりの方に「そのような株主意思を無視する大規模買付行為等に対する対抗措置の発動は」とあるのですが、どこが株主意思を無視しているのでしょうか?このルール自体、株主総会にはかって「株主の皆さん、こういうルールを導入してもよいですか?」と確認するわけではないのですよね?

だとすると、このルール自体が株主に認められたわけではなく、仮に買収者がルールを無視して買収提案をしてきても「株主意思を無視する大規模買付行為だ!」とは言えないのでは?

これ正確には「そのような株主に時間と情報を与えない強圧的な大規模買付行為等に対する対抗措置の発動は・・・」では?だってルールの導入自体、株主に確認していないのですから、ルールを無視した買収提案をしても「株主意思を無視した」とは言えませんよ。

これ、導入自体は株主総会に書けない理由を、もっと丁寧に、わかりやすく説明すべきだと思いますよ。少なくともこのプレスリリースの冒頭で「今回の有事型ルールの導入自体は株主総会にはかりません。なぜなら・・・」と株主にわかりやすく説明すべきではないでしょうか?

 

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