2019年04月03日

忘れられた廣済堂

もう皆さん、村上ファンドにカウンターTOBを仕掛けられている廣済堂のことなど忘れてしまったのではないでしょうか?以下、ベインらのMBOと村上ファンドのTOB条件を比較します。

村上ファンドのTOB期間は5月10日までの30営業日間です。村上ファンドは当初20営業日で設定していましたが、廣済堂が延長請求公告をしたので10営業日延長され30営業日間になりました。

なお、ベインらのTOB期間も延長されましたが、TOB最終日は4月8日(月)です。もうあとちょっとです。価格を引き上げないのでしょうか?

ここ数日の株価は上がっていますね。ベインらのTOBの最終日が近づくにつれて、価格引上げの期待が高まっているのでしょうか?ベインらが価格を引き上げなければ、今ついている株価も下がっていくでしょう。750円超で買った株主は損失を最小限にするために村上ファンドのTOBに応募するかもしれません。

もしかしたら村上ファンドがTOB価格を引き上げる可能性もあります。「ベインらが価格を引き上げると思って買った株主もいるでしょう。その損失を最小限にするために800円に引き上げます!」って。「そんなんことやるかね?」 やった人いますよ。佐々木ベジさんです。ソレキアに対する敵対的TOB時に、富士通と価格を競り合ったときに、最終、富士通が価格を据え置いたのにTOB価格を引き上げました。

公開買付者は、第4回買付条件等変更後、平成29年4月13日から平成29年4月21日までの期間において、市場株価が条件変更後の本公開買付価格(5,300)を上回って推移していたことから、かかる期間に対象者株式を市場にて取得した対象者の株主の皆様からも、本公開買付けへの応募をいただける公開買付価格を提示する必要があると考えたため、平成29年4月25日、本公開買付価格を5,300円から5,450円に変更することを決定いたしました。

上記は佐々木ベジさんが提出した訂正公開買付届出書からの抜粋です。富士通はTOB価格5,000円を提示しましたが、佐々木ベジさんは5,300円を提示し、富士通はそれ以上価格を引き上げませんでした。事実上の撤退です。しかし、市場株価は5,300円を上回っていたことから佐々木ベジさんは上記の理由で富士通が去ったのにTOB価格を上げました。

こういうことをやったらまた村上ファンドを支持する声が多くなるかもしれません。

 

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