2019年05月13日

敵対的株式取得が発生!!!

レスターホールディングスという会社が菱洋エレクトロという会社の株式20%を突如取得しました。レスターHDはシンプレクスという投資家から菱洋エレクトロの株式を20%買い取るようです。

https://www.restargp.com/wp/wp-content/uploads/2019/05/cb7c107e82af337150776a14040bbc4c.pdf

株式取得の目的を以下の通り抜粋します。

当社は、「情報と技術で、新しい価値、サービスを創造・提供し、社会の発展に貢献します」の経営理念のもと、「世界・社会貢献・共創と革新」のキーワードを掲げ、あらゆるニーズに対応できるエレクトロニクス総合商社を目指しております。 当社の半導体及び電子部品事業におけるラインナップ戦略、顧客戦略の強化にとどまらず、その他当社グループや提携先も含めたシナジー効果、事業領域の拡大、革新的なビジネスの創出が期待できるものと考え、今回の株式取得の決議に至りました。

むむむ!レスターHDという会社は「エレクトロニクス総合商社」だそうです。村上ファンドが目を付けている業界ですね。これに対して菱洋エレクトロは以下のような公表をしています。https://www.ryoyo.co.jp/info/ir/7460/

本日、株式会社レスターホールディングスより、当社株式を取得することを取締役会において決議したとの発表がなされました。当該発表の内容は当社として正式に確認したものではございません。今後、開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

事前に菱洋エレクトロと協議した訳ではないようです。菱洋エレクトロの取締役会が賛同していないということは、これは「敵対的株式取得」です。

なお、シンプレクスという投資家ですが、特徴は資本上位会社が存在する会社を中心に投資している点です。菱洋エレクトロの株式を三菱電機が8.3%保有していることに目を付け、将来的な再編可能性を期待して買っていたのだと思われます。シンプレクスに関しては以前コラムでまとめたことがあります。No.286 シンプレックスという投資家を知っていますか?をご覧ください。

シンプレクスの菱洋エレクトロ株の平均取得価格は1,165円です(総額6,483百万円)。今回、レスターHDは10,720百万円で取得しますので、シンプレクスは大儲けです。1株当たりで計算すると1,926円で取得することになりますので、今日の株価1,575円に相当なプレミアムを付けた価格で買い取るということになりますね。

こういうことが日本でも数多く起きるようになってきました。買収防衛策を導入しないからこんなことになるのでしょう。

やっぱり情報と時間を確保するための買収防衛策と呼ばれてしまっている事前警告型ルールを導入しないとダメなんです。

ちなみにレスターHDって皆さんどんな会社か知っていますか?UKCホールディングスとバイテックが経営統合してできた会社です。皆さん、UKCホールディングスって覚えてますか?村上ファンドのターゲットになっていた会社です。

 

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