2019年07月07日

持ち合いに意味がないかどうかは会社によって異なる

今日の日経3面に持ち合い株の削減進む 富士通、480億円売却 強まる海外投資家の力という記事があります。記事には「富士通はKDDIやみずほフィナンシャルグループなど85銘柄(482億円)を売った。前最高財務責任者(CFO)で副会長の塚野英博氏は「持ち合いに意味はない。今後も解消する方針」と話す。」と書いてあります。

これ、違います。持ち合いに意味がない会社もあれば、意味がある会社もあります。つまり、富士通にとっては持ち合いをすることに意味がないのです。だって富士通って時価総額いくらなんですか?1兆6,000億円ですよ。安定株主比率は何%ですか?ざっと見る限り、8.9%です。まあ、10%程度ですかね。富士通は持ち合いでは防衛できない会社ですから、持ち合いに固執するより、国内外の機関投資家を意識して売却したほうが受けがよいでしょう。

一方で、じゃあソレキアは???佐々木ベジさんに敵対的TOBを仕掛けられ、富士通がホワイトナイトとして登場するも、完敗してしまったケースです。ソレキアにとって持ち合いは非常に意味のあることでした。もう少し持ち合いをして安定株主比率を高めておけば、佐々木ベジさんに買収されることはなかったかもしれません。

持ち合いに意味はあるか?なんのために持ち合いをしてきたのか、もう一度よーく考えたほうがよいです。後で痛い目見ますから。

会社は誰のものか?株主だけのものではないですし、そもそも「もの」ではありません。企業防衛体制、危機管理体制を整備するのは「会社のため」です。

 

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