2019年07月22日

エイチ・アイ・エスによるユニゾHDに対する敵対的TOBについて

まだマスコミ各社は「敵対的TOB」とは報じていませんが、当社は敵対的TOBと位置付けています。ユニゾHDが反対の意見表明を公表するまでは敵対的と報じないのでしょう。当社としては、対象会社の経営陣の賛同を得ていない段階で敵対的としています。

さて、また日経ビジネスでこのケースがニュースになっています。ユニゾにTOB、HIS沢田会長が強気になれる理由という記事です。沢田会長が強気になれる理由として、

・ユニゾHDの株主にも名を連ねるみずほ銀行の影がちらつく。「ユニゾHD経営陣は好き勝手にやりすぎた。もう助ける義理はない」。あるみずほ銀行関係者はこう語る。

・ユニゾHDの経営陣は「みずほから距離を置く姿勢を強めていた」(不動産業界関係者)。実際、ユニゾHDは過去5年で4回の公募増資を実施している。ユニゾHDが自らの意思でみずほグループの持ち株比率を薄めてきた、とも読み取れる。

などをあげています。みずほ系の株主が敵対的と言えどもTOBに応じる可能性があると沢田会長が見ている可能性がある、としているようです。うーん、どうでしょうか?いくらみずほから距離を取ろうとしていた会社であっても、取引先でしょうし、過去の経緯もあるでしょう。いろんな力が働きます。なにより、時代が変わったと言っても、取引先に対する敵対的TOBに銀行が応募するとはまだ思えません。

みずほサイドに接触することもなく「みずほも応じる余地がある」と沢田会長が読んでいるのだとしたら、ちょっと甘いと思います。銀行は経済合理性だけでは敵対的TOBに応じません。

この敵対的TOBですが、成立はします。下限がないからです。でも成功するかどうかはわかりません。けっこうハードルが高いと思いますよ。何より、ユニゾHDはたくさん対抗策を持っていると思います。

ま、早く買収防衛策を導入しておくべきでしたけどね・・・。エイチ・アイ・エスから事前にアプローチがあったのに買収防衛策を導入しなかったことが第一の失敗です。でもまだ挽回はできます。

 

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ