2019年09月13日

エフィッシモがリコーの変更報告書 保有割合に変化はありません

エフィッシモがリコーの変更報告書を提出しました。前回提出したのは8月13日で保有割合は18.99%でした。今回の変更報告書の提出理由は「担保契約等重要な契約に関する変更」で、保有割合は18.99%のままです。最近60日間の売買状況は以下のとおりです。

8月7日以降、リコーの株を買ってはいないようですね。先日日経でエフィッシモとリコーの件が記事になっていました。

復調リコーに物言う株主の影 株価低迷で投資姿勢に変化 エフィッシモ、次の手は 2019/9/10付

エフィッシモはリコー株の保有目的を「純投資」から「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」に変更しています。

リコーの自己資本利益率(ROE)はリーマン・ショック前は10%台で推移していたが、19年3月期は5.4%に低下している。エフィッシモは16年、ROEが8%未満の場合は取締役の再任に反対する方針を掲げ、川崎汽船の株主総会で社長選任に反対票を投じた経緯がある。

具体策としてまず想定されるのは自社株買いだ。リコーは08年を最後に自社株買いを実施していない。6月末の現金及び現金同等物は約2300億円と原資はある。ただ「事務機市場が伸び悩む中、将来への投資余力も考えると簡単に自社株買いはできない」(幹部)。リコーは成長を優先したい考えだが、成長シナリオを描けなければ、エフィッシモの還元圧力は増す。

リコーの2019/3期末の株主構成、上位株主を見ると、外部から見た安定株主比率は11.15%です。外国人株主比率は41.28%です(エフィッシモ含む)。エフィッシモが取締役選任に反対するプロキシーファイトなどを実施すれば、否決されてしまうリスクもある株主構成です。エフィッシモが「社長の選任議案に反対するかもよ?」と交渉したらどうなるでしょうか?記事ではリコーが有するリコーリース株を売却して資産効率を高めるべきではないか、という点にも言及されています。

アクティビスト・ファンドにどう対峙していくのか?これはリコーだけに限った問題ではありません。リコーの時価総額は7,600億円です。10年前ならアクティビスト・ファンドのターゲットになる会社ではありませんでした。国内外のアクティビスト・ファンドが虎視眈々と日本企業を狙っていると思います。

今のうちから何を検討し、何を準備しておくか?企業防衛に関する真剣な議論がますます必要な時代になりました。

 

 

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