2019年09月14日

日立からの独立を決断 自分たちの手で事業を守る

日経ビジネスに日立からの独立を決断 自分たちの手で事業を守るという記事がありました。

日立製作所がインフラ事業に傾注していくなか、我々の製品は人のまわりで使ってもらうものが多く、事業の時間軸が全然違ったのです。日立の時間軸は投資も含め数年単位。我々の業界は目まぐるしく情勢が変わります。それならば、自分たちの時間軸ですべてを決断し、経営していくべきだと考えました。社内の反対はありましたが、長期間議論し、最終的に全員が納得して独立しようと決めました。当時、日立の経営を率いていた川村隆さんに頼みに行ったら、「日立100年の歴史で自分から独立するといったのは君だけだ」と言われました。独立がマクセルのためになると理解いただき、快く送り出してくれた日立には本当に感謝しています。

どなたの記事でしょうか?千歳 喜弘氏という方の記事です。誰でしょうか?

マクセルホールディングスの会長です。

日立製作所から独立はしたものの、村上ファンドのターゲットになり独立の危機状態です・・・。

私は最も大切なステークホルダーは従業員だと考えています。大きなグループのもとにいれば、もうからなくなった事業部の従業員もグループのどこかで働き続けることはできるでしょう。会社はそれでいいかもしれません。しかし、従業員はそれではだめなんです。自分たちでもうけたお金で再投資をして、新しいモノをつくっていく。モノづくりを続けていく。そこでメシを食っていく。それが幸せじゃないかと私は思います。自分の手で事業を守り、成長する。その意識は経営陣だけでなく、従業員一人ひとりも持つべきだと思っています。

大切な従業員を守るためにも、独立に際しては日立の庇護がなくなったら起こるであろう危機に対する想像力が欠如していたのではないか?と私は思います。日立と言う安定株主がいなくなると、何が起きるリスクがあるのか?そのようなリスクに対処するための方策を備えておくべきではないのか?いざ危機が起きたらどう対処するのか?

真に独立するということはそういうことです。そういうリスクにどう対処するのかについてマクセルHDは甘かったのではないかと私は思います。

「守る」という意味は決して単なる防衛するという意味ではないと思うのです。企業価値を守るということは、維持することではなく向上させるという意味も含んでいます。起業価値を守り向上させるための買収防衛策の検討をしておくべきだったと思います。

この記事に関するコラムは来週まとめます。

 

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