2019年12月13日

HOYAがニューフレアテクノロジーにTOB?これって敵対的TOB?

東芝グループが完全子会社化を目的にTOBをかけているニューフレアテクノロジーについては、当HPで何度もお知らせしていますが、本日、HOYAがニューフレアテクノロジーに対してTOBを実施することを公表しました。

まだ詳細を読めていないのですが、TOBを開始した訳ではなく、「中華人民共和国及び台湾の競争法に必要な手続及び対応を踏まえ、当社は、 2020 年4月には本公開買付けを開始することを目指しておりますが、国内外の競争法その他の類似する適用法令 に基づき必要な手続に要する期間を正確に予想することが困難な状況であるため、本公開買付けのスケジュールの 詳細については、決定次第速やかにお知らせいたします。」だそうです。

これ、敵対的TOBですね。ニューフレアテクノロジー取締役会の賛同を得ている状態ではないようです。なお、予定しているTOB価格は12,900円です。東芝グループによるTOB価格は11,900円です。HOYAは「当社は、本公開買付けにおける買付予定数の下限を 7,634,000 株(所有割合:66.67%) と設定しているところ、2019 年 11 月 13 日時点で対象者株式 6,000,100 株(所有割合:52.40%)を所有する東芝デバイス&ストレージが本公開買付けに応募することが本公開買付けの成立における必要条件となりますが、当社と対象者が理想的なパートナーである点、本公開買付けは株式会社東芝及び東芝デバイス&ストレージの企業価値・株主価値増大の 契機となりうる点、東芝デバイス&ストレージ公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付価格よりも本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付価格が高く設定されている点に鑑みると、東芝グループにとっても、本公開買付けは魅力的なものであると考えており、当社は、東芝グループに本公開買付けへ応募していただけると考えております。」としています。

大変なことになりましたね。これで今年起きた敵対的TOBは3件目になります。

さて、東芝グループはどうするでしょうか?ニューフレアテクノロジーに関しては、東芝が50%、東芝機械が約15%持っています。東芝グループはHOYAにニューフレアテクノロジーを売るでしょうか?

これまでの常識で考えたら売る訳がないでしょうね。ではなぜHOYAは敵対的TOBを仕掛けたのでしょうか?答えは東芝の株主構成にあると思います。

東芝は世界の名だたるアクティビスト・ファンドを引受先とした第三者割当増資を実施しました。東芝の株主は経済合理性を重視する人たちばかりです。そんな株主が今回のHOYAの提示した条件を見たら東芝になんと言うでしょうか?

「おい!ニューフレアテクノロジーを完全子会社化するのではなく、HOYAに売れや!」でしょうね。それをHOYAは期待しているのでしょう。

しかし3件目の敵対的TOBもオーナー系企業によるものですね。まさか年末、もう1件の敵対的TOBが起きるとは思っていませんでした。

来年の日本は大きく変化すると思われます。そんな時代を迎えるからこそ、敵対的TOB対策を常日頃から考えておくことが重要になります。

 

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