2018年08月24日

新明和、「物言う株主」攻勢で深まる苦悩

2018年8月24日の日経電子版に掲載されていた記事です。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34513460T20C18A8000000/?n_cid=NMAIL006

旧村上ファンドグループのレノが新明和工業の株式にかかる大量保有報告書を提出したのが今年の4月11日です。以降、変更報告書が4月13日、17日、23日、26日、5月2日、8日、11日、16日、22日、6月4日、7月13日に提出されています。7月13日に提出された変更報告書によると、保有割合は19.32%です。取得資金の総額20,762,782千円、保有株数19,316,900株ですので、1株当たり約1,074円で取得していることになります。最近6か月の株価推移は以下のとおりです。

 記事には「4月下旬に18年3月期の増配に加え、19年3月期も年間配当を36円と前期比13円増やすと発表した。5月に公表した21年3月期までの中期経営計画で「連結ベースで配当性向40~50%を基本とする」と株主還元の強化を掲げた。五十川龍之社長は「旧村上ファンドの影響はない」と否定したが、額面通り受け取る向きは少ない。」とあります。仮に旧村上ファンド対策として増配を選択したとしたら、やや間違っているように思います。増配自体の選択は間違っていませんが、いかんせん、額が・・・。

現在、新明和工業の株価は1,326円で、PBRは1.02倍です・・・。まだ割安でしょ?この程度の増配であれば、株価もこんなもんです。旧村上ファンドは株価をいくらにすれば出て行ってくれるのか?そこを追求することが重要です。

なお、有事において小幅な増配を選択するような策をとってはいけません。有事において最も選択してはならない戦略は「戦力の小出し投入」です。相手の目線を見極め、思い切った戦略を実行することが重要です。

 

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