2020年01月19日

東芝機械の対応はコーポレート・ガバナンスの根幹に関わる問題?

東芝機械は今回、目的のよくわからない村上ファンドのTOB提案に対して、株主を含めた全ステークホルダーのために時間と情報をください、と言っているだけです。この行為の何がコーポレート・ガバナンスの根幹に関わる問題なのでしょうか?

東芝機械は買収防衛策を廃止しました。だから有事になって後出しじゃんけんのように買収防衛策に類似した対応方針を公表するのがよくないのでしょうか?いや、いいでしょ。誰のために情報と時間を確保したいのですか?経営陣の保身ではないでしょ?

株主、従業員、取引先、地域社会といった会社の利益を構成するステークホルダーが突如行われるかもしれない目的のよくわからない、価格も本当に適切な価格なのかもわからないTOBを十分に検討するための情報と時間をくれと言っているだけです。

むしろコーポレート・ガバナンス重視の流れに沿った行為ですよ。どうして批判されなくてはならないのですか?株主をはじめとしたステークホルダーのために情報と時間を村上ファンドは提供したくないのですか?提供すると何か困ることでもあるのですか?正々堂々と情報と時間を提供すればいいじゃないですか?

東芝機械の今回の対応方針は何も批判されることではありません。そもそも皆さん、買収防衛策を誤解しています。買収防衛策はいかなる買収提案の実現をも阻害するための施策ではありません。そもそも買収防衛策ではなく、単に株主をはじめとしたステークホルダーが買収提案の内容を十分に精査するための情報と時間を確保するためのルールです。東芝機械のルールを読んで、どこに経営陣が保身に利用できる要素があるのでしょうか?保身だという方がいらっしゃるのであればぜひ教えていただきたい。

上場会社の皆さんは、今こそ買収防衛策についてあらためて考え直すべきです。

 

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