2020年01月21日

東芝機械の買収防衛策っぽい対応方針は暴挙ではない

ブルームバーグに以下の記事が掲載されています。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-21/Q4FKUQDWLU6901

まず「ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は電話取材で、昨日まではTOB合戦を期待した買いから急騰したが、1株当たり純資産の前後に落ちついたと指摘。旧村上ファンド側が提示した価格水準でもあり、既存株主がTOBに積極的に応募する理由はなく、TOBが成立する「可能性は高くない」と述べた。」という部分ですが、本当にそうなんですかね?以下、東芝機械の株価です。

2,000円~2,500円で買っている株主からすると、3,456円(覚えやすいTOB価格ですね)で売る人もいるんじゃないですかね?ただ、少なくとも3,500,000株(所有割合14.50%)の応募がないとTOBが成立しませんので、どこまで応募があるかどうかですね。確かに成立しない可能性もありますね。

そして「東芝機械は敵対的なTOBが実施された場合、他の既存株主に新株予約権を割り当てる買収防衛策を発動する可能性があるとしていた。同社のIR担当者はブルームバーグの取材に対し、内容を精査するとしている。 シティインデックスは、東芝機械の買収防衛策を「暴挙」と批判。「取締役の気に入らない株主による買収が判明した時点で、株主総会で株主の意思を確認しないまま買収防衛策を発動できる」と指摘した。」という箇所。何が暴挙なんですか?だったら、東芝機械が公表した対応方針を遵守すればいいじゃないですか?どうしてそんなに情報と時間を提供するのがイヤなんですか?東芝機械は全株主のためにちゃんと情報と検討するための時間をください、と言っているだけですよね?取締役の気に入らない株主に対して株主の意志を確認せずに発動するわけじゃないですよ。単にルールを守らない買収者に発動するだけです。

そんなに発動されたくないならルールを守ればいいだけです。株主や従業員、取引先、静岡県沼津市という地域社会、全ステークホルダーに対してちゃんと詳細な情報と検討するための時間を与えればいいだけの話です。買収提案を阻害するための施策ではないのです。

がんばれ!東芝機械! でも本当に発動するんですか???

 

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