2020年01月28日

村上ファンドがレオパレス21への解任提案を撤回~これって東芝機械との今後の裁判を見据えた対応?~

村上ファンドがレオパレス21に提案した全取締役の解任提案を撤回すると発表したそうです。また、3人の取締役選任を求めていましたが、これも1人に絞る案に修正するそうです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54923880Y0A120C2EB3000/?n_cid=NMAIL006_20200128_H

提案を撤回、修正した理由は

レオパレスが27日に公表した社外取締役2人を追加する会社提案を評価したという。レオパレスは27日、レノの要請を受けて臨時株主総会を2月27日に開き、社外取締役を2人追加する会社提案を提出すると発表していた。

だそうです。せっかく株買って臨時総会に出ようと思っていたのに・・・。

しかしなんでこのタイミングで提案を撤回、修正したんですかね?ちなみにレオパレス21は当初村上ファンドの提案に対して「レオパレスはレノの株主提案に「自己の利益を追求する目的」」として反対していました。

さて、東芝機械が1月17日に公表した買収防衛策のプレスをもう一度見てみましょうか?

https://www.toshiba-machine.co.jp/documents/jp/ir/library/kohyo/2020/20200117_1_1.pdf

P2に以下の通り書いてあります。

別紙1に記載のようなオフィスサポート、同社に強い影響力を有している村上世彰氏(以下「村上氏」といいます。)や同士の影響下にあるファンド等の過去の投資活動の経緯及びその結果(例えば、2019年5月20日付け横浜地方裁判所決定(資料版商事法務424号(2019年7月号)118頁に掲載)において、村上氏及び同氏の影響下にあるファンドが、2012年から2019年にかけて、複数の上場会社に対し、大量の株式を買い付け、当該上場会社の経営者に様々な圧力をかけた上、当該上場会社又はその関係会社に対し、買い付けた株式の全部又はその大半を高値で購入させ、転売益を得たことが認定されています。

これから東芝機械が買収防衛策における対抗措置を発動した場合、村上ファンドは発行差止請求をするでしょう。裁判所の心証も大切になってくるのではないでしょうか?仮に東芝機械が「村上ファンドはこんなことをする投資家なんですよ!」と主張してきた場合に、村上ファンドが「いや、ボクたちはちゃんと投資先の言うことを聞いて行動しています。レオパレス21でも当初は解任提案をしたけど、レオパレス21の対案を評価して解任提案を取り下げています!」ってなことを言いたいがために今回レオパレス21への解任提案を撤回したのかもしれませんね。

とりあえずレオパレス21は助かりましたね。東芝機械のおかげかどうかはわかりませんが・・・。

 

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