2020年02月04日

村上ファンドの回答を見て驚いたこと!!!

村上ファンドによる対質問回答報告書の冒頭部分を抜粋させていただきますね。どうでもいいんですけど、これ、コピペできる形で登録できないんですかねえ。いつも対質問回答報告書を見て思うんですよ~。

 

私は感動しています。村上ファンドが「上場企業は社会の公器」とおっしゃっているのですから!!!これまで村上ファンドは「会社は株主のものである!」と常に主張してきたじゃないですか???何があったんですか???

ま、それはいいとして、上場企業は自社の株価を中長期にわたり上昇させていく必要があるんですかね?いや「上場企業なんだから当たり前だろ!」っていう指摘があるのは重々承知の上で。株価って誰が付けてるんですか?投資家ですよね?経営者って本当に株価に対して責任があるんですかね?僕は、経営者は株主に対して配当やEPS上昇によって報いなくてはならないと思っています。その結果、株価がどうなるかは投資家次第じゃないですか?その責任まで経営者に負わせるのは酷だと思うんですよ。

あと、不必要な内部留保ってのもよくわからないんですよね。株主から見たら不必要な内部留保であっても、まあ、東芝グループから外れた東芝機械は、役員だけではなく従業員も不安な状況ですよね。ある程度の内部留保は持たせてあげてよいと思いますし、確かに緊張感のある経営は必要ですが、過度の緊張感ってどうなのかな、と。小さいながらも会社を経営している見ですからちょっとはわかります。情緒的な意見で申し訳ないのですが。株主である以上、厳しい意見を言わなければならない局面もあると思うのですが、村上ファンドってまだ東芝機械の株を持って1年ちょっとですよね?もう少し長い目で見てあげもいいんじゃないでしょうか?日本の経営者に限らず「1年程度しか保有してないのに!」って思うんじゃないでしょうか?株主としての意見を聞いてもらいたいのであれば、北風作戦よりも僕は太陽作戦の方がよいと思います。

それと、株主も社会の公器である会社の一員ではあるものの、あくまで一員です。経営者はいろんなステークホルダーに対して利益をどう配分するかを決めなくてはなりません。ですから、社会の公器の一員である株主だけに対して、必要な内部留保の額を言えないのではないですか?ほかのステークホルダーが不利益を被るかもしれません。会社が社会の公器である以上、株主は単なるステークホルダーの一員ですから、その一員に対して会社の重要な情報をすべてさらすわけにはいかんでしょ?経営者は全ステークホルダーへの利益配分において、それぞれの代表と交渉しなくてはならない局面だってあるんですから、株主だけに手の内をすべてさらすわけにはいきません。

さて、次。もう遅いので今日はこれで最後です。明日、詳しく見て意見を書きますが、やっぱり金商法で認められた質問権は機能しませんね。だって回答のところどころで「回答の必要がないと思料いたします」「質問自体が、抽象的かつ漠然とした内容」といった理由で回答を控えていますね。なぜ回答の必要がないと考えるのか、どこが抽象的で漠然としているのかを買収防衛策があれば、全ステークホルダーの利益を確保するために追加質問もできるのです。やっぱり、情報と時間を確保するための事前警告型買収防衛策は必要だなあと思った次第です。東芝機械さんはここでこそ、今まで村上ファンドに言われ続けた「守秘義務契約を締結する準備がある」として追加回答を対応方針にのっとって求めたほうがよいのではないでしょうか?

 

まあ、東芝機械が買収防衛策を昨年廃止したのは痛いですよね。これはおっしゃるとおりで、後出しジャンケンじゃん!と言われても仕方がないと思います。でもね、、、今回東芝機械は、1株3,456円というBPSと同額の村上ファンドにとって割安な価格で株を売ってくれというTOBに対して、株主をはじめとした全ステークホルダーがちゃんと検討できるようにするために情報と時間を確保することを目的にやむなく買収防衛策っぽい対応方針を導入したのではないでしょうか?上場企業が社会の公器であるということを考えれば考えるほど、全ステークホルダーが検討するための情報と時間を確保するための施策を導入するのは当たり前ではないでしょうか?なぜなら上場企業は社会の公器だからです。今回の東芝機械の行為は不意打ちではないです。不意打ちとは「だしぬけに相手に攻撃を仕掛けること」かと思いますが、東芝機械は村上ファンドに対して攻撃を仕掛けたのではありません。単に社会の公器として、全ステークホルダーのために情報と時間を提供してくれと言っているだけです。なぜ村上ファンドはそのような全ステークホルダーの利益のための東芝機械の行為を「不意打ち」とおっしゃるのでしょうか?それは村上ファンドが東芝機械の株主に対して1株当たり3,456円というBPSと同額の村上ファンドにとって割安な価格で突然TOBを仕掛けた行為が、株主及び東芝機械に対する攻撃と心の内では思っているからではないでしょうか?

株主と経営者は決して敵対する関係であってはいけないと思います。株主と経営者が敵対して会社が傷ついてしまったら元も子もありません。社会の公器の一員である株主も、社会の公器にどのような貢献ができるかを考えるべきではないでしょうか?当然、株主自身の利益を最大化させることも重要ではありますが、やはり経営者に「ぜひうちの株主になってもらいたい」と言ってもらえる株主のほうがよくありませんか?

繰り返しますが、東芝機械の行為は決して村上ファンドへの攻撃ではなく、社会の公器として全ステークホルダーの利益のために情報と時間を確保しようとしているものです。ま、対抗措置の発動は攻撃かもしれませんね(笑) まあでもそれも、株主意思確認総会を開催して決めましょうと言っているのですからね。

 

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